永遠の0

原作の大ファンかつ、今年一番観たかった映画を今日、観てきました。

原作が好きな映画は大抵、映画は違和感で”ん?”といった感じになってしまうことが多く(伊坂作品は映画でも面白かったりするけれど)、今作品もどうだろうと思いながら観ましたが、想像以上に良すぎて、気づいたら泣いていました。気づいたら涙がボロボロと。

岡田君の演技、零戦の迫力ある戦闘シーン、キャストのはまり感、どれをとっても素晴らしかったです。出演者の三人が宣伝の為に出ていた王様のブランチで、本作の紹介をするだけで涙目になっていたことも、作品を実際に観て納得しました。

原作者の百田尚樹さんも、今まで映画化、テレビドラマ化のオファーをずっと断っていたけれど、今回の素晴らしい脚本でOKを出されたそう。原作と少し違うシーンもあるけれど、それがまたイイ。(本作で宮部は戦時中に一時帰宅しますが、原作ではしないですよね。そして、エンディングが少し違います。)

誰よりも人の為に生きた宮部さんは、いつの時代でもやはりかっこいい。人間として、男として尊敬します。戦争経験者がどんどんといなくなる今の時代に、このような作品があることの意義。今自分が生きているということが、どれほど素敵で、どれほど偉大なことなのか。自分の人生は自分一人のものではなく、自分は何のために生きているのか、誰のために生きているのか。そのことを考えずにはいられない。そんな作品でした。

そして、すごいな。と思ったのは、劇場の年齢層。お年を召した方がいると思えば、中学生がいたり、カップルも親子連れもいる。原作は、最初は圧倒的に60代男性の読者が多かったけれど、だんだんと口コミで広がり、今では20代の女性、10代の高校生、あるいは中学生に広がっているみたいです。この作品を通して、教科書的な知識のみならず、日本の変遷であったり、自分が今生きていることの経緯を知るキッカケになることは、とても素敵なことだと思います。

また、主題歌「蛍」が最高に映画を引き立てます(下に歌詞を引用させて頂きます)。流石はサザン。映画に強く共感した桑田佳祐が書き下ろしたそう。サザンがグループとして映画主題歌を提供するのは、桑田佳祐監督作の「稲村ジェーン」以来、23年ぶりってのもすごいですね。

下記、印象的なコメントを引用させて頂きます。

「家族のために必ず生きて帰る。それこそが愛ではないか。」そう信じ、「待っている人がいる」ことそのものが生きる力になり、生きる原動力になっている。現代を生きる私たちにも通ずる、そんな主人公宮部久蔵の姿に非常に大きな感動をいただきました。この映画の中に流れている「平和への祈り」のようなメッセージを、私なりに音楽という形を通じて、多くの方々に伝わっていくためのお手伝いが、少しでも出来ればと思っております。そして、この映画が大成功されることを心よりお祈り申し上げます。(桑田佳祐)

この映画は、現代に生きる僕たちにとって一番大事な、日本の歴史の転換点を描いています。僕が演じた大石賢一郎にとってだけでなく、我々が日本人である限り避けて通れない、歴史の重要な1ページですから、改めて噛みしめないといけないし、この映画がそういうことを若い人たちに知ってもらえるいい機会になるんじゃないかと思っています。今回、山崎監督とご一緒できて本当に良かった。面白い映画になって、たくさんの若者たちが観てくれるのではないかと。監督がきっと素晴らしい作品にしてくれると期待しています。(故・夏八木勲)

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