昨日観てきました。話題の「グレイテスト・ショーマン」。
ラ・ラ・ランドの制作チームが入ってるんですよね。しかも音楽部隊に。それは観なければなと。
ちなみに、ラ・ラ・ランドについては以前割と熱めに(厚めに?)語ったので、よろしければぜひに。
あらすじは下記を参照してくださいませ。
主人公のP.T.バーナムは<ショービジネス>の概念を生み出した男。誰もが“オンリーワンになれる場所”をエンターテインメントの世界に作り出し、人々の人生を勇気と希望で照らした実在の人物だ。そんなバーナムを支えたのは、どんな時も彼の味方であり続けた幼なじみの妻チャリティ。彼女の愛を心の糧に、仲間たちの友情を原動力に、バ ーナムはショーの成功に向かって、ひたむきに歩む。
下記ネタバレはしない(はず)(おそらく)
夢と希望、そして愛とアイデンティティを描いたミュージカル。予告編の時点でこれは好きだな…と思っていましたが、想像通り大好きでした。
そして、存じ上げてなかったんですが、実在の人物を取り上げているんですね。
かなり夢物語的なストーリーだなと思っていた反面、観終わってから知ってしまったために、その前提に立ってもう一度観てみたいな。
ストーリーが物足りないという方もいらっしゃると思います かつ すごくわかるんですが、そもそも実在のGreatestなShowmanを描いているという前提に立てば、見え方がかなり変わるんじゃないかなと。(逆に付け足すのも難しいから、必要十分な内容に思えた)
バーナムは、今まで誰にも理解されずに戸惑っていたマイノリティをエンターテイナーとして採用していくわけですが、一見すると、マイノリティな彼らだけがアイデンティティに戸惑っていると思いきや、主人公のバーナム自身も成功を掴み取る道のりで自らを見失うんですね。
その設定がとてもよいと思いました。自らを重ね合わせるという。
自分は誰のために頑張っているんだっけ(生きているんだっけ)?というありがちな戸惑い方なんですが、最も大切なのは家族とその愛であるという帰結を素晴らしい音楽と映像表現で魅せてくれる点。好きです。だいぶうっとりしました。
映像だと、エンジン全開な始まりがやっぱり印象的ですね。”It’s Show Time”と言わんばかりの幕開け。
(この作品が一つのショー(つまりは虚構)であり、その作り話の始まりを表しているのかと思い込んでいた点、実話だと知ってびっくりしてます)
また、ラストの煌めきと躍動感が圧巻ですね。さすがは”Greatest Show”。
ラ・ラ・ランドよりもダンスはキレッキレな印象だったけど、あちらは素人だけどついつい踊ってしまう…という感情の高鳴りを表していて、今回はプロの”ショーマン”が演じるダンス。それは違って当然なんですよね。
ただ、その分、クオリティが相応に求められてそうで大変だろうなーと、謎に苦労をいたわる気持ちになりました。
実際のところ、バーでのシーンは30テイク以上に上り、ゼンデイヤが演じた空中ブランコはほぼスタントなしでやりきったとのこと。(ほんとすごいな)
個人的には、ゼンデイヤが演じたアンとザック・エフロン演じるフィリップの静かな恋模様が好きでした。
身分も人種も違うから、口もきけないし、触れないし、一緒にいるところを見られてもいけない。ただ、目が合う瞬間やその表情で、次第に互いを好きになっていくことが伝わるんですね。
(なんだそのむずがゆさは!!!そんな恋愛をしてみたいぞ!!!!)(はい、取り乱してすみません)
歌でいえば、やっぱり「This Is Me」。特段良すぎてちょっと泣きそうになりました。笑
まさにこの作品の核となる楽曲ですよね。奇抜なサーカス、世間とは外れたアウトローな風貌、黒人との恋愛…と様々な壁に阻まれながらも、世間なんて関係ない。これが私だと奮起する。
“気をつけろ 私が行く”というサビの詞がかっこよすぎて、思わず震えました(歌姫風)。
また音楽全体だと、どの曲もミュージカルらしくないほどに現代風にアレンジされているところが面白かったですね。
冒頭の「The Greatest Show」なんてまさしくだけれど、これほどにR&B調が効いたミュージカル音楽は初めて聴く気がします。
しかも1800年代の話とのギャップが面白くて、古めかしさを感じすぎず、親近感を湧かせながら鑑賞できるという。
やはり冒頭の音楽ってかなり重要ですね。出だしで観客をいかにミュージカルの世界に引き込めるか。
ラ・ラ・ランドの「Another day of sun」然り、ヘアスプレーの「Good Morning Baltimore」然り。(両方大好きです)
にしても、ミシェル・ウィリアムズ最近よく見るなぁ。マンチェスター・バイ・ザ・シーに続きとっても良い役。歌もお上手で驚きました。
ザックもいい男になったもんだ。
でもやはり、ヒュー・ジャックマン。彼をキャスティングした制作陣あっぱれです。ほんとに。彼以外にバーナムを演じられる役者が全く思いつかない…。
ウルヴァリンとバーナムの両者を演じられる役者なんてまぁいないはず。彼こそ唯一無二のエンターテイナー(ショーマン)なんだなと再認識しました。
鑑賞後、「ラ・ラ・ランドよりよかった!」といった声がちらほら聞こえました。人によってはそうかもしれないですね。
テーマ性がだいぶ違うのであまり比べるべきではないものの、王道ミュージカルが好きな方は尚更刺さるかもしれません。