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「最強の営業戦略」を読んだ。

勤務先の先輩にお勧めされた一冊。名著でした。

>> 最強の営業戦略―企業成長をドライブするマーケティング理論と実践の仕掛け

 

営業組織がうまくいかないとき、企業はしばしば「営業力が足りない」と言いますが、この言葉のなかには、まったく異なる問題がまとめて押し込められています。

  • 営業担当者の商品知識が足りないのか
  • 商談スキルが足りないのか
  • そもそも狙う顧客が間違っているのか
  • 提供価値が曖昧なのか
  • 社内調整に時間を奪われているのか
  • 評価指標が、望ましくない行動を誘発しているのか

原因を分けないまま「営業力を高めよう」とすると、研修を増やす、会議を増やす、入力項目を増やす、といった施策に向かってしまいます。

その結果、営業担当者はさらに忙しくなる。けれども、顧客に向き合う時間は増えず、営業力も思うようには上がらない…という負のスパイラル。

本書は、こうした営業組織の問題を、個人の能力ではなく、戦略と組織の設計として捉え直す一冊でした。

 

自分はこれまで、スタートアップやベンチャー企業から大手企業まで、異なるフェーズの組織を経験してきました。 そして、両者は正反対に見えるかと思います。

  • 大手企業:分業、会議、承認、制度がある
  • ベンチャー:速度、兼務、口頭での共有、個人の裁量がある

ただ、営業が弱くなる構造には共通点があります。

  • 戦略と現場の活動がつながっていない
  • 成果を生む判断が個人の頭の中に閉じている
  • 顧客から得た情報が、組織の学習に変わっていない

本書自体が大企業とベンチャーを対比して論じているわけではありません。

ただ、自分が両方の組織で感じてきた課題に照らし合わせて考えると面白いかなと思い、ここからは大手・ベンチャーの2軸を踏まえつつ、整理してみます。

 

営業力は「優秀な営業担当者の数」では決まらない

本書の前提となっているのは、営業を単なる販売部門として見ないことにあります。

「営業は企業と顧客とを結ぶメインのインターフェース」

営業は、会社が決めた商品を顧客に説明し、契約を取ってくるだけの存在ではなく、会社の戦略を顧客接点で実行すると同時に、顧客の要望、競合の動き、市場の変化を社内へ持ち帰る。

いわば、営業とは、企業と市場の間を情報が往復するための「接続点」であると。
だから、営業力を強くするためには、営業担当者だけを変えても不十分。

  • 経営が何を目指しているのか
  • どの顧客を優先するのか
  • 商品はどのような価値を提供するのか
  • 価格や契約条件はどう設計されているのか
  • 営業以外の部門が、どこまで支援するのか

それらがつながって、初めて営業力になるとしています。そして、本書では、営業力強化を次の6つのステップに整理しています。

  1. 戦略・ターゲティングの明確化
  2. 戦略と個別活動とのリンク
  3. 営業の役割定義と活動の標準化
  4. 営業活動の効率化
  5. 営業体制の構築
  6. 営業活動のPDCAの仕組みの確立

この6つの前提として、「営業活動を何によって評価するのか」というモノサシの見直しがあります。

ここで興味深いのは、大企業とベンチャーでは、この各ステップが異なる理由で壊れやすいということです。

 

ここからは7つの論点に分けて書いてみます。

1.KPIは、単なる管理指標ではなく、経営から現場へのメッセージである

売上は重要。とはいえ、売上そのものが企業活動の最終目的ではありません。

  • 大幅な値引きをして売った商品
  • 専用品の開発や特別対応を必要とする案件
  • 頻繁な小口配送や手厚いサポートが必要な顧客

こうした取引は、売上だけを見れば優良案件に見えます。しかし一方で、対応コストまで含めると、利益をほとんど生んでいない可能性も多いかと。

それでも営業評価が売上だけで決まるなら、営業担当者は売上を最大化しようとする。値引きをしてでも大型案件を取り、手間のかかる顧客に時間を使う。

これは営業担当者の意識が低いのではなく、会社が設定したモノサシに対して、合理的に行動しているだけ。(あるあるだなーと思いました)

大手組織で起きやすいこと

大手企業では、売上目標だけでなく、部門別、商品別、エリア別の目標が積み重なりやすい。

そんな状況下、営業担当者は、顧客にとって必要かどうかよりも、「今期、この商品を売る必要があるか」を優先するようになります。

さらに、商品部門ごとに目標が設定されると、一人の顧客に対して複数部門が別々に営業することもある。

その結果として、会社側では合理的に見える管理体系が、顧客側では断片的な営業体験を生んでしまうことに繋がると。

ベンチャー組織で起きやすいこと

ベンチャーでは、新規契約数、商談数、受注額など、成長を説明しやすい数字に評価が寄りやすい傾向かと思います。(投資家に対する説明材料としてもわかりやすいため)

たとえばSaaS企業で、新規ARRだけを強く追えば、将来の解約可能性が高い顧客や、導入支援コストの大きな顧客まで獲得する動機が生まれます。

アポイント数を重視すれば、商談化しにくい顧客への接触が増えます。新規契約数を重視すれば、既存顧客の活用や継続がおろそかになります。

立ち上げ期には単純な指標が必要ですが、その指標が組織の成長段階に合わなくなっても使い続てしまう。その結果として、数字は伸びているのに事業の質が悪くなるというアンビバレンスな状況を生んでしまいます。

学び

KPIを見るときには、「この数字を追うと、現場はどのように行動するか」を考える。

そのためには、KPIを次の三段階で確認する。

  • この数字によって促したい行動は何か
  • 同時に、どのような望ましくない行動が起こりうるか
  • 売上だけでなく、利益、継続性、対応コストを捉えられているか

そのためKPIは、結果を測るためだけのものではなく、会社が何を大切にしているかを、現場に伝えるメッセージであると言えるでしょう。

 

2.戦略は、営業担当者の「来週の行動」まで落ちているか

「重点顧客を深耕する」
「高付加価値商品を拡販する」
「顧客起点の営業へ転換する」

企業の営業方針として、こうした言葉はよく使われがちです。

ただし、これだけでは営業担当者の行動は変わりません。

  • 重点顧客とは、具体的にどの企業なのか
  • その顧客を優先する理由は何か
  • 誰に接触すべきなのか
  • どのような課題を想定するのか
  • どの製品を提案するのか
  • 次の商談で、何を確認すべきなのか

ここまで落とされて、初めて戦略は営業活動になります。

大手組織で起きやすいこと

大手企業では、戦略自体は丁寧につくられていることが多い印象です。

問題は、経営戦略、事業戦略、部門方針、営業施策を経るうちに、現場へ届く言葉が抽象化されてしまうこと。

それぞれの階層が重要項目を追加するため、「重点」が増え続けることもあります。

重点業界、重点顧客、重点商品、重点テーマ、重点KPI・・・・と、すべてが重点になれば、現場から見れば何も重点ではないじゃん!というやつです。

結果として、営業担当者は過去の経験や顧客からの依頼に基づいて動く。戦略は存在していても、日々の活動との関係が切れてしまう。

ベンチャー組織で起きやすいこと

ベンチャーでは、戦略が経営者や創業者の頭の中に存在していることが往々にしてあります。(経験談)

誰よりも事業・サービスについて考えている身として、どの顧客を狙うべきなのか、どの課題が強いのか、競合とどう違うのかを、創業者自身は直感的に理解している。

しかしながら、営業メンバーが増えると、その直感を共有しきれなくなっていく。

先週の経営会議でターゲットが変わった。
創業者の商談では伝わるが、他の営業では伝わらない。

新しい方針がSlackで共有されたが、既存の案件は以前の基準のまま進んでいる。

変化の速さはベンチャーの強みですが、方針変更が活動に反映される仕組みがなければ、組織内に複数世代の戦略が共存してしまいます。

学び

戦略を伝える際には、理念やスローガンだけでなく、最低でも次の問いに答える必要があります。

  • 誰を優先するのか
  • 誰を、あえて追わないのか
  • どの顧客課題に応えるのか
  • 自社が選ばれる理由は何か
  • 次の商談で何を確認するのか
  • どの状態になれば案件を進め、どの状態なら撤退するのか

そして、戦略の完成度は、経営資料の美しさでは決まりません。

現場が顧客を前にしたときの迷いを、どれだけ減らせるかが重要です。

(このあたりのサイエンス、ほんと面白いですよね)(関係ないので黙ります)

 

3.標準化するべきなのは、話し方ではなく「判断の仕方」である

営業の標準化というと、トークスクリプトや商談マニュアルを思い浮かべるかもしれません。

しかし、顧客の状況は一社ずつ違うため、すべての顧客に同じ話をしても、営業成果は上がりません。

本当に標準化すべきなのは、営業担当者の個性ではなく、成果を生むための判断とプロセスです。

  • 顧客の課題をどう捉えるのか
  • 誰が意思決定に関わっているのか
  • どの情報が揃えば次の段階へ進めるのか
  • 商談が止まっている理由は何か
  • 次のアクションをどう決めるのか

優秀な営業担当者ほど、こうした判断を経験的に行っています。

しかし、その判断基準が本人の頭の中にしかない場合、組織は何度でも同じ失敗を繰り返すことになります。

大手組織で起きやすいこと

大手企業では、すでに多くの業務プロセスやルールが存在します。(少なくとも私が現職で対面するクライアントにはかなり確からしいルールがしっかりと存在しています)

そのため、新たな課題が起きるたびに、確認項目、会議、承認、報告フォーマットが追加されやすいのです。

標準化が、再現性を高めるためではなく、問題が起きたときに責任を追跡するための仕組みになってしまう。

結果として、営業担当者は顧客に向き合うより、社内プロセスを正しく通過することに時間を使うことになります。まさしく大手あるある。

大手企業に必要なのは、標準化を増やすことではなく、どの標準化が成果に寄与し、どの標準化が形骸化しているかを見極めることにあります。

ベンチャー組織で起きやすいこと

ベンチャーでは、標準化そのものが敬遠されてしまうことがあります。

「顧客ごとに違うから」
「今はまだフェーズが早いから」
「プロセスをつくるとスピードが落ちるから」

こうした判断にも一理あるでしょう。

プロダクトや市場が定まっていない段階で、営業活動を細かく固定すれば、顧客から学ぶ力を失うからです。

一方で、営業担当者が増えたあとも何も標準化しなければ、各メンバーが独自の営業方法をつくり、同じ失敗を別々に経験することになります。

ベンチャーに必要なのは、完成された営業マニュアルではないものの、最低限、次の四つを共有することが重要でしょう。

  • 商談をどの段階に分けるか
  • 次の段階へ進むための条件は何か
  • 各段階で確認すべき情報は何か
  • 誰が、いつまでに、何をするか

学び

標準化は、全員に同じ営業をさせるためのものではありません。

繰り返し考える必要のないことを減らし、顧客ごとに本当に考えるべきことへ、営業担当者の頭と時間を使うためにあります。

自由度を残すためにこそ、最低限の型が必要ということです。

 

4.営業担当者を増やす前に、営業の時間を営業へ戻す

本書では、営業担当者が付加価値の高い活動に使えている時間は、10〜20%程度にとどまるケースがあると指摘しています。

残りの時間の用途は、報告資料の作成、社内会議、承認手続き、問い合わせ対応、移動、データ入力・・・・など。(これも営業経験者なら結構頷くところかなと)

営業担当者が忙しそうに見えることと、営業活動が充実していることは別問題ということです。

大手組織で起きやすいこと

大手企業では、営業担当者が多くの社内関係者を動かす役割を担います。(担うことが多い、という表現の方が正しいかもしれない)

  • 商品部門への確認
  • 法務や経理との調整
  • 価格承認
  • 上司への説明
  • 複数会議への出席
  • 同じ内容を少しずつ変えた資料の作成

一つひとつにはやるべき理由がある。しかし、全体として見ると、顧客に価値を提供する時間を圧迫している。

特に問題なのは、営業DXの名のもとに、入力項目やレポートが追加されることです。

SFAやCRMは、本来、営業を支援し、組織の学習を促すための道具のはず。ところが、管理側が欲しい情報を集めることが目的になると、営業担当者にとっては新たな報告作業に成り下がります。

ベンチャー組織で起きやすいこと

ベンチャーでは、営業担当者が営業以外の仕事も兼務するケースがあります。

  • 提案資料をゼロからつくる
  • 導入支援をする
  • 問い合わせに答える
  • 契約手続きを進める
  • 顧客の要望をプロダクトチームへ伝える
  • 場合によっては、採用や広報まで手伝う

立ち上げ期には、こうした兼務が顧客理解につながります。ただ、顧客や案件が増えても同じ状態を続けると、営業の生産性は急速に落ちることにもなる。

売れない理由が営業スキルではなく、「営業担当者が営業に使える時間がないから」ということも珍しくない事象だなと。

学び

営業人員を増やす前に、一度、営業担当者の時間の精緻な可視化が必要だなと思いました。

2週間程度、活動を次の3つに分けて記録するだけでも、多くのことが見えるはずです。

  • 顧客への価値提供に直接つながる活動
  • 事業運営上、必要ではあるが付加価値の低い活動
  • 削減、統合、移管、自動化できる活動

効率化とは、営業担当者をさらに速く働かせることではなく、営業担当者がやらなくてもよい仕事を見つけること。(これは口酸っぱく使っていきたい)

 

5.営業組織は、社内の都合ではなく「顧客の買い方」から設計する

企業の組織図は、商品、地域、業界、機能などによってつくられています。

しかし当たり前ですが、顧客は企業の組織図に合わせて買うわけではなく、自社の課題を解決するために、必要な商品、知識、支援を一つの会社から受け取ろうとしています。

大手組織で起きやすいこと

大手企業では、製品や事業部ごとに営業組織が分かれていることが一般的です。その結果、一社の顧客に対して、複数の営業担当者が別々にアプローチすることになります。

顧客側からすると、同じ会社なのに情報が共有されていない。過去に説明した内容をもう一度伝える必要がある。製品ごとの提案は受けるが、全体課題を見てくれる人はいない。

社内では最適化されているのに、顧客接点では分断されている状態といえます。

こうした組織では、顧客単位で全体を見るアカウント責任者と、商品や領域ごとの専門家を組み合わせる必要があります。

ベンチャー組織で起きやすいこと

ベンチャーでは、役割が人に紐づきやすくなります。

創業者が営業し、受注後もそのまま顧客対応を続ける。営業、カスタマーサクセス、プロダクトの境界も曖昧である。

初期段階では、その曖昧さが強みになるケースも。顧客の要望が直接プロダクトに反映され、意思決定も速い。

ただし、顧客が増えたタイミングで、誰が責任を持つのかがわからなくなってしまう。

  • 契約までは営業
  • 導入後はカスタマーサクセス
  • 機能要望はプロダクト
  • 契約更新は、また営業

それぞれの役割はあるものの、顧客全体の成功に責任を持つ人誰だっけ?問題が発生するやつです。

(なくなく営業が担うことも、CSが担うことも経験してきました)

学び

組織設計を考えるときは、まず顧客の購買プロセスを前提に描くべきでしょう。マーケティングの視点でいえばカスタマージャーニーマップ等が分かりやすいかと。

  • 顧客が自社を知る
  • 比較する
  • 社内で意思決定する
  • 契約する
  • 導入する
  • 活用する
  • 継続や追加購入を判断する

各段階で、顧客は何を必要としているのか。誰が支援するのか。情報を誰へ引き継ぐのか。

組織図から顧客対応を考えるのではなく、顧客の買い方から役割を逆算して設計すべき、ということです。

顧客は、自社の部門間の事情には関心がない。ということを改めて認識する必要があると思いました。

(部門名と肩書だけ永遠に増えていくのが代理店あるあるなので、個人的にはかなり肝に銘じなければならないやつです)

 

6.PDCAを「未達理由を説明する会議」から、組織が学ぶ仕組みに変える

営業におけるPDCAというと、売上実績や案件進捗の確認を思い浮かべます。

しかし、数字を確認して、未達の営業担当者に理由を聞くだけでは、組織は強くなりません。

(言われてみたらそうなんだけど、フォーキャストと進捗・状況確認で終わる会議ははびこってますよね….)

本書では、個々の営業担当者が回すPDCAと、営業組織全体が回すPDCAを分けて考えています。

個人は、担当顧客や案件に対して次の行動を修正する。組織は、複数の案件で繰り返されている問題を見つけ、ターゲット、商品、価格、プロセス、支援体制を見直す。ということです。

大手組織で起きやすいこと

大手企業はデータを比較的多く持っている一方で、データが報告や評価のために使われ、改善のために使われていないケースも発生します。

営業会議では、売上、案件数、進捗率が読み上げられる。未達案件について理由を聞かれ、担当者が説明する。

しかしながら、同じ失注理由が複数の営業担当者から出ていても、商品や価格、業務プロセスの問題として扱われない。

データは豊富なのに、組織学習が乏しい状態ということです。

ベンチャー組織で起きやすいこと

ベンチャーでは、顧客との会話や現場情報が多い印象です。

Slackには商談の気づきが流れ、経営者も顧客の声を一定の組織規模までは直接聞けています。

ただその一方で、その情報が整理されず、声の大きい案件や直近の商談に意思決定が引っ張られやすくなる。

一人の顧客から言われたことが、全市場のニーズとして扱われる。創業者が最近聞いた要望によって、営業方針や開発優先順位が変わる。

もちろん対話は豊富ですが、検証可能な学習になっていない状態といえるでしょう。

学び

営業会議では、案件の状況を次の4つに分けて確認するべきです。

  1. 何が起きているのかという事実
  2. なぜ起きているのかという解釈や仮説
  3. 個人で対応するのか、組織として変えるのかという判断
  4. 誰が、いつまでに、何をするのかという次の行動

この4つを分けるだけでも、会議は報告の場から意思決定の場に変わるはず。

個人の失敗を責めるのではなく、複数の失敗から共通構造を見つける。

その点、強い営業組織とは、失敗しない組織ではなく、同じ失敗を繰り返さない組織といえます。

 

7.営業改革は、営業部門だけでは完結しない

本書には、次の指摘があります。

「営業の変革は、営業部門に閉じた中だけではかなり難しい」

営業が顧客へ提供できる価値は、営業担当者だけで決まるわけではないからです。

価値に影響する変数として、例えば、商品、価格、契約、在庫、物流、導入支援、カスタマーサポート、人事評価などなど・・・・

営業成果には、さまざまな部門の意思決定が影響しています。

大手組織で起きやすいこと

大手企業では、営業担当者が顧客課題を把握しても、それを商品や業務の改善につなげるまでに時間がかかります。

営業は「顧客からこう言われた」と伝える。商品部門は「個別要望なのか、市場全体のニーズなのか」と問い返す。業務部門は「運用コストが高い」と反対する。

各部門の主張には、それぞれ合理性があります。

問題は、顧客価値と企業収益の両方を見ながら、部門をまたいで判断する場がないこと。

営業改革を営業部門だけに任せると、営業担当者へ新しい行動を求める施策に偏りやすいでしょう。

(このあたりは、SFA・CRM導入プロジェクト等で必ずと言っていいほど発生する問題です)

ベンチャー組織で起きやすいこと

ベンチャーでは、営業、プロダクト、経営の距離が近い。

これは大きな強みです。顧客の声をすぐに共有し、製品や提案を変えられる。

一方で、距離が近すぎるために、顧客要望をそのまま開発要件として受け取ってしまうこともあるでしょう。(経験談です)

顧客が求めた機能をすべてつくれば、プロダクトは複雑になる。営業が大型案件を取るために個別対応を約束すれば、開発やカスタマーサクセスの負荷が増える。

当たり前ですが、顧客の声を聞くことと、顧客の言うとおりにつくることは違います。

学び

営業から他部門へ顧客情報を渡す際には、単なる要望ではなく、少なくとも次の観点を整理すべきです。

  • 顧客が表明している要望
  • その背景にある根本的な課題
  • 同様の課題を持つ顧客の広がり
  • 対応した場合の売上や継続への影響
  • 開発、運用、サポートにかかるコスト

営業の役割は、顧客の要求を社内へ転送することではなく、顧客の声を、経営判断に使える情報へ翻訳することです。

 

下記、これまでの内容をまとめ、ポイント部分を整理します。

大手組織へのポイント:足すのではなく、減らして、つなぐ

大手企業の営業課題は、「仕組みがないこと」よりも、「仕組みが多すぎること」から生まれます。

戦略も制度も会議もある、システムも専門部隊も充実している。それにもかかわらず、個々の仕組みがつながっていない。

大手組織が最初に取り組むべきなのは、新しい営業手法やツールを追加することではなく、既存の仕組みを整理することにあるはずです。

優先順位を減らす

重点顧客、重点商品、重点テーマを増やしすぎない。

何をするかだけでなく、何をしないかを決める。営業担当者がすべての要請に応えなければならない状態では、戦略的な資源配分はできません。

顧客単位で情報と責任をつなぐ

商品、部門、エリアをまたいで、顧客を一つの単位として見る。

誰が顧客全体に責任を持つのか。誰が専門知識を提供するのか。得られた情報をどこへ蓄積するのかを決める。

管理職の仕事を、監視から支援へ変える

営業管理職が数字の集計と進捗確認に時間を使いすぎると、メンバーの案件を前へ進める支援ができません。

管理職が見るべきなのは、結果だけではなく、案件がどこで止まり、どのような支援が必要なのかです。

大手企業の営業改革で重要なのは、仕組みを増やすことでありません。

顧客価値につながらない複雑さを取り除き、分断された仕組みをつなぎ直すことにあります。

 

ベンチャー組織へのポイント:速さを失わず、学習を個人から切り離す

ベンチャー企業の営業課題は、「制度が多すぎること」よりも、「重要な判断が個人に依存していること」から生まれます。

創業者が売れる。古参メンバーが顧客を理解している。特定の営業担当者だけが大型案件を取れる。少人数のうちは、それでも組織が回る。

しかし、人が増えた瞬間に、なぜ売れているのかが共有できなくなります。

創業者の直感を、検証可能な仮説へ変える

創業者が知っている顧客像、課題、競争優位を言語化する。

ただし、固定された正解として伝えるのではなく、「現時点では、こう考えている」という仮説として共有することが重要です。

採用する一歩前に、最低限の型をつくる

営業人員を増やす前に、ターゲット、商談段階、案件の進行条件、失注理由を整理する。

人を増やしてから標準化しようとすると、それぞれが異なる営業方法を身につけたあとで統一することになり、難易度が爆上がりします。

(急激に営業マンを増やし、ルールもカルチャーも一気にカオス化したベンチャーを経験しました…)

例外対応を、営業努力と勘違いしない

顧客ごとの個別対応は、初期の学習には有効です。

しかし、例外対応が増え続けると、売上は伸びても組織が疲弊することでしょう。

その対応は、将来ほかの顧客にも提供できるのか。個別案件のためだけに発生していないか。継続可能なコストなのかを確認する必要があります。

ベンチャーに必要なのは、大企業のような重い制度ではなく、顧客から得た学びを、特定の個人がいなくても再利用できる最低限の仕組みです。

 

自社の営業組織を診断する7つの問い

本書を読んだあと、自社の営業組織について考えるなら、まず次の7つを確認するとよきかと思いました。

  1. 優先する顧客と、追わない顧客を明確に説明できるか
  2. 営業の評価指標は、売上以外の利益や継続性も捉えているか
  3. 営業戦略は、個々の営業担当者の次の行動まで翻訳されているか
  4. 優秀な営業担当者が行っている判断を、組織として言語化できているか
  5. 営業担当者が顧客への価値提供に使っている時間を把握しているか
  6. 営業だけでは解決できない問題を、他部門へつなぐ仕組みがあるか
  7. 営業会議は、報告だけでなく、組織としての意思決定を生んでいるか

この問いに答えられない部分こそ、営業力を弱くしているボトルネックである可能性が高いでしょう。

 

「最強の営業」とは、スーパースター営業のことではない

『最強の営業戦略』というタイトルから、トップセールスになるための話術や、顧客を説得するテクニックを想像する人もいらっしゃると思います。

しかし、本書が描いている「最強の営業」は、一部の天才的な営業担当者に依存する組織ではありません。

  • 誰を狙うのか
  • 何を価値として提供するのか
  • どのような活動を行うのか
  • 何を評価するのか
  • 誰が支援するのか
  • 顧客から何を学ぶのか

それらが一本の線でつながっている組織である、とされます。

大手企業は、仕組みを足しすぎることで、営業を顧客から遠ざけることがある。
ベンチャー企業は、仕組みをつくらなさすぎることで、営業を個人に依存させることがある。

それぞれに対応すべきポイントは異なります。

大手企業には、削ることと、つなぎ直すこと。
ベンチャー企業には、言語化することと、最低限の型をつくること。

ただし、目指す状態は同じです。

戦略が顧客接点まで届き、顧客接点で得られた情報が、再び経営や事業へ戻っていくこと。

 

営業力とは、営業担当者個人の才能の総和ではなく、組織が顧客から学び、その学びによって次の行動を変え続けられる力なのだと思いました。

「プライシングの技法」を読んだ。

気になったとこをメモします。

  • ナイキの強さ
    • スポーツアパレル業界において、アディダスやアンダーアーマーが景気後退による減収を補うためにECでの販売価格や仕切り価格(卸売価格)を値下げし、利益率を90%近く落としたが、ナイキは世界トップの売上規模と利益率を維持し、時価総額最高を記録(21年)
    • 時価総額を年間の売上で割ったPSR(株価売上高倍率)でナイキは4.8倍、アディダスは2.3倍、アンダーアーマーは1.6倍(21年)
    • 営業利益率で見ても、17年から21年の平均値をとってナイキは12%、アディダスは9%、アンダーアーマーは4%
      • 価格を下げるのは簡単だが、上げるのは難しい。下げるの理由はいらないが上げるのには理由がいる。一度下げてしまうとなかなか元に戻せない
      • 最も利益に貢献するのはコストダウンや販売数量のアップではなく、価格の改善
      • 値決めは経営の死命を制する。値決めで経営は大きく変わるため、経営者が判断すべき重要な仕事となる
      • ナイキはこれまでの販売実績から商品の価値を推定し、目標とする利益を達成できる水準でMSRP(メーカー希望小売価格)を決定。また新しいコンセプト、デザインの商品にはスキミング・プライシングを適用し、競合よりも高い初期価格を設定
        • スキミング・プライシング:新製品の市場投入時に高価格を設定し、初期の需要を最大限に活用して早期に資金を回収する価格戦略
  • 日本企業が価格設定を苦手とする理由
    • データの問題
      • 価格検討のインプットとして何のデータを使うべきかが定義されていない
      • 使いたいデータが取れていない、集めるための工数がかかる
    • ガバナンスの問題
      • 組織として統制が利いておらず、エリアによって値付けの方針や利益率がばらばら
      • 価格の決済基準が統一されておらず、レビュアーによって異なる指摘を受ける
    • ノウハウの問題
      • 競合と同等もしくは少し安い価格に設定するというポリシーしかない
      • アンケート結果をもとに値付けしているが、想定よりも売上や利益が伸びない
    • システムの問題
      • Excelで価格を検討しているが、扱える情報量が限界を超えている
      • 商品や売り先の更新がすべて手動であり、情報の鮮度維持業務がパンク状態
  •  ハイブランドの価格はブランドエクイティそのもの、高い値段に設定することで、手が届きそうで届きにくい憧れのブランドとなる
    • 国間の価格差が大きくなると転売が発生するため、本社がグローバルの価格水準を統制することが一般的
  • 分譲住宅はいかに土地を安く仕入れ、早く売り切るかの回転率勝負
    • 販売価格は土地代、建築費、販管費に利益を乗せて決める
      • その際、近傍のプロジェクトが平均いくらで販売して売り切るのに何か月かかったかの情報を参考にする
  • クルマの価格は相対感と市場価値で検討
    • 相対感は比較対象となるセグメント(車格)に属する別の車種と価格を比較するアプローチ
    • 市場価値は、車種・グレードごとに異なる性能と仕様の面でクルマとしての価値がいくらであるべきかを探るアプローチ
  • ドラッグストアの特売はメーカーとドラッグストアがタッグを組んで企画
    • 特売によって、どれだけ売上や利益がアップするかをメーカー側が予測し、それを原資として仕切り価格を割り引く
  • 飲料の価格は、自動販売機も店頭も横並び
    • 特にスーパーからは消費者目線での店頭価格が指定されるため、メーカー側はその中で原価をやりくりする必要がある
  • 家電は商品のカテゴリ、スペックによって売れ筋の価格帯が決まる
    • 値ごろ感のない商品は、いくら優れた機能を備えていても売れないというのが家電業界の商習慣
    • 昨今はメーカー側が価格決定の主導権を持つ価格指定制も登場
      • 価格指定制:家電量販店などの小売店に製品の販売価格を指定する代わりに店舗からの返品を受け付け、在庫リスクを負担する仕組み
  • デジタル広告は入札で価格が決まる
    • インプレッション単価(CPM)と広告の質(ビッティングスコア)でビットが成立
    • そもそも広告は顧客獲得単価(CPA)の効率性を以下に上げるかがポイント
    • 広告主は自社の目指すCPAにLTVが見合う媒体のビッドに参加している
  • 位置情報サービスはまだ10年の歴史しかなく相場が定まっていない
    • 位置情報の価値も顧客の利用目的によって変わる
    • 先駆者であるドコモのモバイル空間統計の価格が基準として用いられるのが一般的(22年時点)
  • 商品・サービスの価値の構成要素
    • 自己表現価値:自分のステータスに寄与するもの
      • 例:自動車 ⇒ 高級車が成功の証
        • ブランドごとの担保:ハイブランドで最大、一般ブランドで最小
    • 情緒的価値:商品・サービスの感覚的な効用
      • 例:自動車 ⇒ 走る歓びが感じられる
        • ブランドごとの担保:ハイブランドで大、一般ブランドで小
    • 機能的価値:商品・サービスが提供する機能
      • 例:自動車 ⇒ 走行性・安全性
        • ブランドごとの担保:ハイブランドで小、一般ブランドで大
    • 根源的価値:商品・サービスの基本的な役割
      • 例:自動車 ⇒ 乗っていどうができる
        • ブランドごとの担保:ハイブランドで最小、一般ブランドで最大
  • プロスペクト理論
    • 人は「得」をしたときの嬉しい気持ちよりも「損」をしたときの残念な気持ち方が上回る
    • 利益を得ることより、損を回避することを選ぶ傾向にある
      • そのため、消費者に損を感じさせてしまう価格は購入意欲を削ぐ
  • 現在の日本のように市場が成熟した状況において、売上至上主義は必要以上の値下げや販管費の増加を生み、利益率を悪化させる
    • 経済が縮小均衡していく中で重要なことは、売上を追い求めることではなく、持続可能な利益を志向すること
  • 「プライシング」は商品・サービスの価値を見極め、価値を価格に転嫁し、狙った利益に転換するプロセス全般を指す
    • 「価格」はプライシングのプロセスにおける一つのパラメーターとしての位置づけ
  • プライシングにおいて最も重要なことは商品・サービスの価値の見極め
    • 価値ベースでの値付けをマーケットイン、コストベースでの値付けをマークアップと呼ぶ
    • 顧客の価値が大きいと感じるほど、もしくは価格を割安と感じるほどカスタマんーバリューは大きくなる
      • 価値を正しく見極め、マーケットインで値付けすることが望ましい
  • ハイブランドの価格はブランドをどう位置付けたいかという思想とともにあるべき
    • ブランドの位置づけ、市場でのポジショニングをはっきりさせなければ値決めの主導権を競合や顧客に奪われる
    • 価格は、過去の売上実績、競合商品、サービスの価格をもとに、目標とする利益を面積で達成できるポジションに設定
    • 自己表現価値を充足させるために必要以上に安くしすぎてブランドイメージを棄損しないように留意
  • ハイブランド以外の価格は機能的価値の見極めがカギ
    • 価値の差の定量化には、市場調査×顧客調査を用いる
    • 市場調査:自社や他社の他の商品・サービスがその機能の追加で価格をいくらアップさせているか、どこまでの価格アップであれば許容されているかを確認し、機能ごとに市場価値を金額換算する
    • 顧客調査:PSM分析などを行い、機能的価値が加わることでどれだけ価値アップが許容されるかを定量化する
  • 価格決定基準
    • 価値基準
      • 3Cに準えると・・・顧客視点(Customer)
      • 消費者の立場で商品・サービスの価値がどれだけあるかをベースに価値を設定、マーケットイン
    • 競争基準
      • 3Cに準えると・・・競合視点(Competitor)
      • 競合との兼ね合いや代替品の有無など、競争原理や市場で形成された相場観に基づいて価格を設定
    • コスト基準
      • 3Cに準えると・・・自社視点(Company)
      • ある一定数の利益率を原価に掛けたり、原価に狙った利益を加えて価格を設定、マークアップ、コストプラスとも呼ぶ
    • 消費者心理基準:
      • 3Cに準えると・・・顧客視点(Customer)
      • 人間の心理がゆがみとなって合理的な意思決定を妨げることがある、見せ方の工夫でより売れやすい価格を設定
  • プライシングの実務における変革ポイント
    • ①市場・競合の調査
      • 市場規模、各プレイヤーのシェア、販売数量、価格動向、商品動向などを最低限抑える
    • ②ガイドラインを作成
      • ノウハウを形式化することで、属人性を排除し、業務の質的向上に貢献することを目的に、価格設定の方針や業務プロセス、評価体系を整理し、明文化
    • ③比較対象の理解
      • 消費者が商品・サービスの購入を検討する際、他の何を比較としているかを明らかにする、その際代替商品・サービスが何かという視点も重要
    • ④原価企画と連動
      • 赤字を垂れ流す商品の上市を未然に防ぐために商品開発を起案するタイミングで定量的なエビデンスをもとに販売数量、販売価格、原価、利益を想定
    • ⑤価格を設定
      • 今のプライシングモデルがどう成り立っているかをメーカー希望小売価格、代理店マージン、仕切り価格、製造原価、販管費といったパラメーターを使って可視化、あるべきプライシングモデルに向かってどの部分をどう変革するかを議論
    • ⑥価格を評価・再考
      • 価格は一度設定して終わりではなく、その後の売れ行きをウォッチしたり、消費者からのフィードバックを得たりしながら適切なポジションであったかを評価・再考
    • ⑦ガバナンスを強化
      • 価格の起案から決裁までのプロセスの円滑化、エリア間の価格整合を図るためのガバナンスがキーとなる、ガバナンス強化にはマインドチェンジも重要、全社的な収益管理の目線を持つCMOが指揮官となり、オペレーション全体をコントロールし、プライシングの専任担当を置きつつ現場を束ねるのが有効
    • ⑧プライステックを実現
      • 価格の検討に必要なデータ管理、シミュレーションなどに全てエクセルで対応するのは難しく、ビッグデータやDXを活用したプライシングをシステムなしに実現するのは不可能に近い、分析の切り口や画面イメージを要件としてクリアにし、システムの導入につなげる

その他、実際のサービスに関するケーススタディやら、プライシングの具体的な手法の紹介など結構面白かったので、興味のある方はぜひに。

「ドリルを売るには穴を売れ」を読んだ。

読んでみました。 マーケティングのかなり初歩の初歩を語っている書籍ですが、基本的な概念として抑えなければいけない本質をストレートに語っていて、これからマーケかじってみよう、という方に向けた入門書としては適しているかと。

下記、改めて抑えておかねば~と思ったことをメモします。

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  • マーケティングとは「顧客にとっての価値を売り、その対価として、顧客からお金をいただくこと」
    • 少々学問的にいえば「価値のやり取り」
    • よって、顧客が得る価値=「ベネフィット」がマーケティングの中心概念
  • 上記に則り、マーケティングをシンプルに考えると下記の3点
    • 「顧客にとっての価値」を高める
    • 顧客が買うための手間、時間、エネルギーを減らす
    • 値下げをするための努力をする
  • ベネフィットとなる「価値」とは何か=アルダファー氏のERG理論
    • Existence(生存欲求)
      • 生き続けたい・肉体的な快楽・・・生きるためのお金が欲しい、駅から近い暖かい家に住みたい、おいしいものを食べたい
        • 刺激例:やれば給料があがるかもしれないよ
    • Relatedness(社会欲求)
      • 他人との関係においてよく思われたい・・・名誉欲、いいものを見せびらかしたい、ちやほやされたい、異性にモテたい、家族と楽しい時間を過ごしたい
        • 刺激例:やればみんながすごいと言ってくれるよ
    • Growth(自己欲求)
      • 他人とは無関係に、自分の中で完結する・・・もっと成長したい、自分の思う通りに生きたい、自分のこだわりを貫きたい、充実感を得たい、ストレス発散したい
        • 刺激例:やればこんなに学べて成長できるよ
  • 顧客は「欲求充足」を買っている
    • コーラ
      • 生存欲求:のどを潤す
      • 社会欲求:かっこいい飲み物
      • 自己欲求:スッとさわやか
    • 家
      • 生存欲求:広くてアイコン完備の快適さ
      • 社会欲求:「いい所にお住まいですね」と言われる
      • 自己欲求:マイホームを持つ達成感
    • 口紅
      • 生存欲求:唇を紫外線から保護する
      • 社会欲求:美しく見られる
      • 自己欲求:なりたい自分になる
    • パソコン
      • 生存欲求:仕事に使う
      • 社会欲求:メールで他人と連絡しあう
      • 自己欲求:自分の趣味を記録する
    • 洋服
      • 生存欲求:保温・皮膚の保護
      • 社会欲求:センスの良い人と思われる
      • 自己欲求:自分らしくある
  • 3つの差別化戦略
    • 手軽軸
      • 早い・・・忙しいから早く済ませたい
      • 安い・・・給料日前だから安いところで
      • 便利・・・雨が降っているから近いところで
    • 商品軸
      • 最新技術・・・最近できた雑誌で話題のあの店に
      • 最高品質・・・友人と会うので落ち着けるところで
    • 密着軸
      • 顧客を良く知っている・・・私の好みを知っているあの店で
  • マーケティングで重要なのは「一貫性」
    • 例えば、吉野家がデパートのレストランで3,000円で提供されていたら食べない
    • あの価格、駅前、あのスピードで提供されるからいい
      • ベネフィット、ターゲット顧客、差別化戦略、4Pすべてに一過性があることが、良いマーケティングの必要条件
  • 上述した3つの差別化戦略と4P
    • 手軽軸 
      •  PC業界での例:デル
        • 顧客ターゲット:こだわりが薄く、買いやすさ・価格重視層
        • 製品・サービス:万人に受け入れられる
        • 広告・販促:TV、新聞、雑誌などで大々的に
        • 販路・チャネル:長時間営業、便利な立地の店舗、ネット販売
        • 価格:業界最安値
    • 商品軸 
      •  PC業界での例:アップル
        • 顧客ターゲット:品質重視層、先端層
        • 製品・サービス:最高品質・最先端技術
        • 広告・販促:先端層を中心に
        • 販路・チャネル:限定的
        • 価格:高価で、値引き率も少ない
    • 密着軸 
      •  PC業界での例:パナソニック
        • 顧客ターゲット:マニア層、こだわり層
        • 製品・サービス:こだわり素材、特別仕様
        • 広告・販促:マニア間での口コミ・紹介促進
        • 販路・チャネル:限定的
        • 価格:製品は普通だが、手数料がかかる

でも、一番刺さったのは「おわりに」に書かれていた下記の一節。

私の経験から、人が大きく伸びるには3つの条件があると思う。ひとつめは、自分の実力を超えるゴールが設定されること。ふたつめは、自由に動けて自分でその責任を負う、という自由と責任のセット。自由だけでは無責任になり、責任だけだとやる気を失ってしまうものだ。…3つ目が、支えてくれる指導者(メンター)の存在。