というのを(例えば)30歳になった時に振り返って、ノスタルジーを感じるためにも、まとめてみたいなと。
(youtubeにないものは省きます。サカナクションのmellowとかも入れたかった)
この曲は夜だよなぁ…と思える曲ないしは、夜道を歩く際に聴きたい曲が個人的には好き。落ち着くんだよなぁ。
というのを(例えば)30歳になった時に振り返って、ノスタルジーを感じるためにも、まとめてみたいなと。
(youtubeにないものは省きます。サカナクションのmellowとかも入れたかった)
この曲は夜だよなぁ…と思える曲ないしは、夜道を歩く際に聴きたい曲が個人的には好き。落ち着くんだよなぁ。
いよいよ観ました。アカデミー賞作品賞受賞の「ムーンライト」。いやぁ…鑑賞後の余韻がすごい。言語化しづらい感情が心に流れ込み、鑑賞後、口を開くまで時間がかかりました。
貧困 × 黒人 × 性的マイノリティという点のみをピックアップすると、どうにもかなり辛い物語なのではないか?と少し身構えていたものの、蓋を開けてみてびっくり。
これはこれは美しいラブストーリーだこと。
(あらすじは下記を参照)
名前はシャロン、あだ名はリトル。内気な性格で、学校では“オカマ”とからかわれ、いじめっ子たちか ら標的にされる日々。その言葉の意味すらわからないシャロンにとって、同級生のケヴィンだけが唯一の友達だった。高校生になっても何も変わらない日常の中、ある日の夜、月明かりが輝く浜辺で、シャロンとケヴィンは初めてお互いの心に触れることに・・・
戯曲「In Moonlight Black Boys Look Blue(月の光の下で、黒人少年は美しいブルーに輝く)」が原案ということもあってか、その映像表現に見惚れてしまう。黒人の体をこんなに美しく撮影した映像は観たことがない。
というか、夜ではなくとも映像が本当にきれい。大部分の舞台はマイアミですが、直射日光が強いと言われている中、湿気、取り巻く木々の緑と相まって、その光にすら見惚れました。
全体的に美しく静かで、とても叙情的。目は口ほどに物を言う、とはまさにこのこと。主人公の目に、その抱えた思いに引き込まれてしまう。(なぜか、”閑さや 岩にしみ入る 蝉の声”という芭蕉の句を思いました)
1部<リトル>で、麻薬中毒者の母に苦しむ主人公の父親代わりになろうと思ったものの、その母に麻薬を提供しているのが自分であったり、2部<シャロン>では、やんちゃな結びつきから抜け出すことが怖く、心を通じ合わせた相手を傷つけなければなかったり、3部<ブラック>で、あんなに麻薬を憎んだものの、結果、自分が麻薬ディーラーになっていたりと、矛盾・葛藤の連鎖がこの物語の重要な要素。
そんな中、主人公シャロンは自分のアイデンティティを探し続ける。
黒人でもないし、ましてや麻薬中毒者の母を持っているわけでもないけれど、シャロンの心情が分かってしまうし、これはまさしく自分の話なのではないか、と思えてしまう「普遍性」がこの作品のすごいところ。
この世の中、ままならない日常に対するやるせなさ、初恋のような切なさ、いつまでも痛む後悔など、秘めたる思いを誰しもが抱えているものの、そんな自分の”弱さ”を見せ(られ)ずに生きている人が多いはず。
だからこそ、同様にアイデンティティに苦しみ、本当の自分を見せられずに生きていたシャロンの暗闇に光が差した瞬間、なんとも言い難い、深い感動と余韻を覚えてしまうんですね。
(そして、”暗闇(シャロンの心)に光が差す”という意味合いをタイトルの「ムーンライト」とかけているオシャレさ。)
自分のアイデンティティを持つには、自分自身を愛さなければならない。そして、そのためには周りからの愛が必要だということを改めて思い知りました。誰かを愛する時も同様に。
また、3部構成がとてもよいですね。3部<ブラック>でシャロンは体を鍛え上げ、金歯のカバーをつけ、高級車を乗り回す。つまり、以前の弱い自分から脱却し、心も体も鎧をまとっているわけです。本当の自分を隠すための。
そこにかかってきた「お前に料理を作ってやる。そしてあの曲を聞かせてやる」という初恋の相手からの電話。
再会したシャロンはケヴィンが作ってくれた料理を食べるために、金歯を外すんですね。それはストリートないしは麻薬取引の中で、自分の権力をいわば象徴するようなもの。しかし、ケヴィンが触れた、自分のためだけに作ってくれたものを直に歯で触れたい、感じたいと。
(料理がそこまで美味しそうじゃなかったかつ、その後にかけられた音楽がイケてない、加えて飲酒運転?ということはさておき)
このシーンにシャロンのケヴィンに対する愛情を、そして、料理を口の中に入れるというその行為の意味を思いました。家族、恋人、ましてや外食と日常生活でなんとなく映るシーンではあるものの、その人を全面的に信頼していないとできない行為だな、と。
(その点、これから食べものを買う基準が少し変わりそう…って話は超個人的につき、また今度)
また、シャロンの父親代わりになろうとしていたフアンの葛藤は、心にくるものがありましたね。実際、麻薬を売るものの、その要素を抜けば寛大で思いやりがあり、素晴らしい人間のはず。
10のうちに悪い点が1(今回は麻薬ディーラーという職業が)あるだけで悪者認定してしまうといった残酷さは、人を見る際に気を付けなければならないなと。情の要素も強いかつ、もちろん逆も然りですが。(下記を思い出した。)
女子大生が夜キャバクラでバイトしてるって言うと不真面目そうだけど、キャバ嬢が昼間大学に通ってるっていうとなんか良い話っぽく聞こえるのはなぜだろう。物事は、伝える順番だけでこうも違う。
– 中島一明
こういう作品が作品賞をとるのは素晴らしいことだと思います。
(#OscarsSoWhite (白すぎるオスカー)問題が、昨年のアカデミー賞で話題になりましたが、今回もし作品賞の読み間違えが起こらなかったら、運営側の陰謀疑惑もなく、よりクリーンで素敵な授賞式だったんだろうな…。)
その点、上映する劇場が少ないのが残念ですね。日本どうした。
とはいえ、なんとなくふらっと観る作品でもない気がするから、それはそれでいいのかもしれません。観るべき人が観ればそれでいい。
最後に、やっぱりナオミ・ハリスってすごいですね。スーパー演技派。「素晴らしきかな、人生」とのギャップが激しすぎましたが。笑
期間を空けてもう一度観た時、感じ方がどう変わるかを楽しみにしておきたい。そんな作品でした。
直近の3本について、軽く感想でも書いておきます。
ラインナップはこちら。
マリアンヌ
素晴らしきかな、人生
SING
それぞれに良さを持った作品でした。(すみません、少しばかりネタバレを含みます)
1942年、カサブランカ。マックス(ブラッド・ピット)とマリアンヌ(マリオン・コティヤール)は出会った。極秘諜報員とフランス軍レジスタンス―決して交わることのない人生を歩んでいたふたりは、ある重大なミッションによって引き寄せられる。それは夫婦を装って、敵の裏をかき、ドイツ大使を狙う作戦だった。その後、ロンドンで再会したふたり、愛が芽生え始めるのは自然のことだった。しかしマリアンヌには愛した人にも決して言えない「ある秘密」を抱えていたのだった。
まぁまぁ、これまた美男美女だこと。
「ジョー・ブラックによろしく」の時なんかと比べたら、相当にダンディさが増し、THE いい男になられたブラピがそれはそれはカッコいいし、何よりマリオン・コティヤールがいちいち綺麗かつセクシーでそれはもう、ね。
(「ジョー・ブラックによろしく」は確かAmazonプライムで観れたはずなので、まるでゴールデン・レトリバーのような若かりし頃のブラピを観たい方は必見です)(観れなかったらごめんなさい)
ひとまずこの二人の顔をスクリーンいっぱいに映しておけば、なんとなく上質な映画になってしまう気がするんだよな….。(例えばめっちゃゾンビとか出てきたとしても)
監督は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でおなじみのロバート・ゼメキス。この監督の映像はどうやって撮ったん?というシーンが多くて、かなりの見ごたえ。
今回でいうと、やはり砂漠でのカーセックスですかね。思わず見惚れました。ただ、ストーリーの面白さを期待すると、結構先回りして想像してしまえた点、若干イマイチかなぁ。
しかし、どうしようもない、誰にも打ち明けられない苦悩を抱えた男性目線は、過去のあれこれを思い出して結構共感できました。
そして、やはり二人とも演技がお上手。ただただ見つめ合い、お互いの核心に触れずとも心を通わせようとする、見透かそうとするシーンなど。
また、それを彩るロンドンのプレッピーなファッション、街並みが素敵。
総じて、とても綺麗な124分でした。
(エンドロールで、SWING GIRLを連想するとは思わなかったけれど)
ニューヨークの広告代理店で成功を収めていたハワード(ウィル・スミス)。しかし彼は最愛の人を失い、深い喪失感に見舞われ、プライベートも仕事もやる気なし。会社も危ない。同僚たち(ケイト・ウィンスレット、エドワード・ノートン、マイケル・ペーニャ)もそんなハワードと会社を心配していた。そんなある日、人生ドン底のハワードの前に3人の奇妙な舞台俳優(キーラ・ナイトレイ、ヘレン・ミレン他)が突然現れた。不可思議な言動をハワードに投げかける年代も性別も異なる3人。しかし、その出会いによってハワードに徐々に変化が。
人生はなぜ素晴らしいのか?
それは、いつだって、いくらだって、やり直すことができるから。というのが、この作品としての回答でしたね。(と、自分は認識しています)
久々のウィル・スミス作品でしたが、やはり彼の泣き顔はすさまじいなと。(思わず息を吞みました)
また、個人的に(演技面で)好きな俳優№1のエドワード・ノートンが出ている時点で、観なければと思っていたんですが、彼が劇中に言っていたセリフは割と刺さりましたね。(下記)
娘を初めて見たとき、愛を感じなくなっていた。僕が愛になっていたんだ。
(若干うろ覚えなので、間違えたらすみません)
つまり、自分が愛を求めようとせず、ただ(無償の愛を)与える側になっていたと。
恋は落ちるもの、愛は与えるものだとよく言いますが、そう定義した際、ここ最近で一番によいことばだった感があります。
(与えるだとなんとなく上から目線を感じる点、”贈るもの”かな?と個人的には思っていますが、”贈る”は特別感が出過ぎて日常に浸透しない点、やはり与えるなんですかね)
主題歌をOneRepublicが手掛けているのもポイントですね。
(しかし、彼らならやっぱりCounting Starsがカッコいいと思う)
ちなみに、”人生”にまつわる映画上での好きなセリフは下記。
“年をとれば命が惜しくなる。慣れ親しんだ人生だからだ。”
(脱線しましたね、すみません)
ストーリー的には、うーん、こちらもまぁまぁといったところ。正直キャストが豪華すぎて若干勿体ないかな?とも思った。
とはいえ、「愛」「時間」「死」と劇中に出てくるテーマが哲学チックな面、ところどころよいセリフが散りばめられていて、素敵な作品だな、と。
かつては栄えていたにも関わらず、今や客足は途絶え、経営が全く上手くいかない状態が続く劇場の主宰であるコアラのバスタームーン(マコノヒー)。バスターは根っからの楽天家で(少しろくでなしなところもありますが)、自分の劇場を何よりも愛し、劇場を守る為なら何でもやろうと決心。そんな彼の望みが危機に直面した今、劇場にかつての栄光を取り戻すため、最後のチャンスである世界最高の歌唱コンテストをプロデュースする事に!感傷的に優しく歌うハツカネズミ(マクファーレン)、ステージに上がることに恐怖心を持つ内気なティーンエイジャーのゾウ(ケリー)、25匹のコブタの面倒を見る疲れ果てた母親(ウィザースプーン)、自らの家族である犯罪一家から自由になりたいと願う若いギャングスターのゴリラ(エガートン)、横柄な彼氏を捨ててソロになるべきか葛藤するパンクロッカーのヤマアラシ(ヨハンソン)など、それぞれの動物たちが、自らの未来を変える機会となることを信じバスターのいる会場に集結する。
こういう作品大好き!!!!(二週連続で観ました)
まず、音楽がとてもよい。思わず肩を揺らしてノリノリで観てしまった。(後ろの方、すみません)
自分は字幕版で観ましたが、豪華声優陣の歌がこれまたうまいこと!!!!
特に、タロン・エガートン(キングスマンの主人公です)の歌声にはびっくりした。
スカーレット・ヨハンソンお姉さまは貫禄の歌声(下記、劇中映像になるのでこれから観る方はお控え下さいませ)。
あとは下記。トリ・ケリーという歌手が演じた象の「ミーナ」の歌声がとてつもなく素晴らしかった。存じ上げてなかったんですが、なかなか苦労されているらしいです。
http://wasabiny.hatenablog.com/entry/2015/09/12/231824
また、音楽がただいいのではなく、ストーリーとしても思わず感動してしまう要素、ならびにくすっと笑えてしまう要素がきちんと共存しているのが、この作品のすごいところ。
自分は家族ものに弱いので、ムーンの劇場が….といったシーンは堪えましたね。思わず静かに泣きました。笑える点では豚のお母さまが素敵すぎる。
王様のブランチのランキングで、2週連続で1位になっていましたが、観る価値はあると思います。友人・恋人・家族と、どの関係性で観てもきっと心地よい作品のはず。
また、結構な量の楽曲が劇中で使用されているんですが、きゃりーぱみゅぱみゅの曲が2~3使われていて、もはや海外にも浸透しているんだなぁ…と改めて感服しましたね、
日本語字幕版はスキマスイッチのボーカル、長澤まさみと、これまた豪華なのだけど、字幕版がよすぎたので若干観るのをためらってます。(世界観が壊れてしまいそうで)
(長澤まさみの声はとっても好きなんですけどね。(いわゆる君の名は。効果))
そんなこんなで4月。もう今年の4分の1が過ぎてしまった、その時の速さに驚きを隠せませんが、より一日一日を、その今しかない今の時間を大切にしていきたいですね。
ということで、明日は「ムーンライト」を観ます(文脈どうした)。いやぁ、楽しみや。