月別アーカイブ: 2025年4月

「ドリルを売るには穴を売れ」を読んだ。

読んでみました。 マーケティングのかなり初歩の初歩を語っている書籍ですが、基本的な概念として抑えなければいけない本質をストレートに語っていて、これからマーケかじってみよう、という方に向けた入門書としては適しているかと。

下記、改めて抑えておかねば~と思ったことをメモします。

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  • マーケティングとは「顧客にとっての価値を売り、その対価として、顧客からお金をいただくこと
    • 少々学問的にいえば「価値のやり取り
    • よって、顧客が得る価値=「ベネフィット」がマーケティングの中心概念
  • 上記に則り、マーケティングをシンプルに考えると下記の3点
    • 「顧客にとっての価値」を高める
    • 顧客が買うための手間、時間、エネルギーを減らす
    • 値下げをするための努力をする
  • ベネフィットとなる「価値」とは何か=アルダファー氏のERG理論
    • Existence(生存欲求)
      • 生き続けたい・肉体的な快楽・・・生きるためのお金が欲しい、駅から近い暖かい家に住みたい、おいしいものを食べたい
        • 刺激例:やれば給料があがるかもしれないよ
    • Relatedness(社会欲求)
      • 他人との関係においてよく思われたい・・・名誉欲、いいものを見せびらかしたい、ちやほやされたい、異性にモテたい、家族と楽しい時間を過ごしたい
        • 刺激例:やればみんながすごいと言ってくれるよ
    • Growth(自己欲求)
      • 他人とは無関係に、自分の中で完結する・・・もっと成長したい、自分の思う通りに生きたい、自分のこだわりを貫きたい、充実感を得たい、ストレス発散したい
        • 刺激例:やればこんなに学べて成長できるよ
  • 顧客は「欲求充足」を買っている
    • コーラ
      • 生存欲求:のどを潤す
      • 社会欲求:かっこいい飲み物
      • 自己欲求:スッとさわやか
      • 生存欲求:広くてアイコン完備の快適さ
      • 社会欲求:「いい所にお住まいですね」と言われる
      • 自己欲求:マイホームを持つ達成感
    • 口紅
      • 生存欲求:唇を紫外線から保護する
      • 社会欲求:美しく見られる
      • 自己欲求:なりたい自分になる
    • パソコン
      • 生存欲求:仕事に使う
      • 社会欲求:メールで他人と連絡しあう
      • 自己欲求:自分の趣味を記録する
    • 洋服
      • 生存欲求:保温・皮膚の保護
      • 社会欲求:センスの良い人と思われる
      • 自己欲求:自分らしくある
  • 3つの差別化戦略
    • 手軽軸
      • 早い・・・忙しいから早く済ませたい
      • 安い・・・給料日前だから安いところで
      • 便利・・・雨が降っているから近いところで
    • 商品軸
      • 最新技術・・・最近できた雑誌で話題のあの店に
      • 最高品質・・・友人と会うので落ち着けるところで
    • 密着軸
      • 顧客を良く知っている・・・私の好みを知っているあの店で
  • マーケティングで重要なのは「一貫性
    • 例えば、吉野家がデパートのレストランで3,000円で提供されていたら食べない
    • あの価格、駅前、あのスピードで提供されるからいい
      • ベネフィット、ターゲット顧客、差別化戦略、4Pすべてに一過性があることが、良いマーケティングの必要条件
  • 上述した3つの差別化戦略と4P
    • 手軽軸 
      •  PC業界での例:デル
        • 顧客ターゲット:こだわりが薄く、買いやすさ・価格重視層
        • 製品・サービス:万人に受け入れられる
        • 広告・販促:TV、新聞、雑誌などで大々的に
        • 販路・チャネル:長時間営業、便利な立地の店舗、ネット販売
        • 価格:業界最安値
    • 商品軸 
      •  PC業界での例:アップル
        • 顧客ターゲット:品質重視層、先端層
        • 製品・サービス:最高品質・最先端技術
        • 広告・販促:先端層を中心に
        • 販路・チャネル:限定的
        • 価格:高価で、値引き率も少ない
    • 密着軸 
      •  PC業界での例:パナソニック
        • 顧客ターゲット:マニア層、こだわり層
        • 製品・サービス:こだわり素材、特別仕様
        • 広告・販促:マニア間での口コミ・紹介促進
        • 販路・チャネル:限定的
        • 価格:製品は普通だが、手数料がかかる

でも、一番刺さったのは「おわりに」に書かれていた下記の一節。

私の経験から、人が大きく伸びるには3つの条件があると思う。ひとつめは、自分の実力を超えるゴールが設定されること。ふたつめは、自由に動けて自分でその責任を負う、という自由と責任のセット。自由だけでは無責任になり、責任だけだとやる気を失ってしまうものだ。…3つ目が、支えてくれる指導者(メンター)の存在。

「BtoBマーケティング”打ち手”大全」を読んだ。

最近、有難いことにBtoBマーケティングの相談、壁打ち等を受けることが増えてきまして、これは一度体系的に振り返りたいぞ…?という危機感に駆られたため、読んでみました。

下記、かなり基礎的なものも含みますが、考え方として残しておきたいことのメモです。

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  • BtoB商材の購買意思決定プロセスは「問題の認識 ⇒ 情報探索 ⇒ 代替品の評価 ⇒ 購買決定 ⇒購買後の行動
    • そのため、課題を抱えている人にアプローチできているか、課題解決に適切な商品・メッセージングかが最重要
  • ニッチな商材ほど、オフライン施策が効く
    • 特に、業界特化×大企業はテレアポ・展示会の優先度が上がる
      • SMB向け商材は母数が多く、一方で高単価になりにくい =THE MODEL型がハマる
      • ニッチ×ターゲット数の少ない(大企業向け)は、テレアポ・DM、展示会、イベント出店でリードを獲得していく方が手っ取り早い
  •  誰もナーチャリングされたいとは思っていない
    • それよりも、顧客の「欲しい」タイミングを逃さないことが重要
    • BtoBでは次の3つの特性により、検討に進むタイミングがつかみにくい
      • 複数人で意思決定がなされる
      • 担当者や部署によって状況が変化する
      • 期末の予算消化など急を要する場合がある
        • よって、顧客のタイミングをキャッチできる仕組みを構築し、選ばれる存在になることが先決
  • BtoB特有のDMU(Decision Making Unit:意思決定関与者の集団)
    • ユーザー:実際に製品・サービスを使う人々
    • 起案者:社内の課題に気づき、その課題を解決する提案を行う人々(部門長、経営企画担当者など)
    • 購入者:製品・サービスを実際に購入する人々
    • 決定者:意思決定を行う人(部門長、経営者など)
    • インフルエンサー:起案者や意思決定に対して助言をする有識者
    • チェッカー:費用が自社の予算から逸脱していないか、機能や仕様が条件を満たしているか確認する役割の人々
      • 広告をはじめとした各種コミュニケーションは、上記ターゲットを絞って適切にアピールする必要がある
  • 顧客の購買意思の起点となるコンペリングイベントを意識する
    • コンペリングイベント:従わざるを得ない出来事、対処しなければいけない問題の発生
      • 顕在型コンペリングイベント:社内外での特定の事象・問題が起き、対処する必要がある状況
        • 例:法改正にあわせてシステムを変更したい
        • 例:Webサイトをリニューアルしたい
        • 例:退職による欠員を補充するため、新規採用が必要
      • ソリューション型コンペリングイベント:顧客の課題に対して、自社から期限を決めて作り出したもの
        • 例:1年以内に営業職を人員数を1.5倍にする、そのための採用活動を3か月後から開始する、その実現に今月中での採用支援の発注が必要
      • 自社都合型コンペリングイベント:自社が実施するキャンペーンなど
        • 例:今月中に発注してくれたら20%オフ
  • ホワイトペーパーの王道はざっくり3パターン
    1. 調査レポート
    2. 事例集
    3. ノウハウ
      • 教科書、チェックリスト、セミナー資料、課題解決、マンガ、比較表、入門書、用語集
  • 顧客の課題認識段階と必要なコミュニケーション(サンプル)
    1. 課題に気づいていない
      • ⇒課題を根付かせる
    2. 課題に気づいているが、何もしない
      • ⇒「コスト<リターン」になるように行動するメリット、行動しないデメリットを伝える
    3. 課題を自力で解決しようとしている
      • ⇒自力で解決する難しさ、非効率さを伝える
    4. 課題に対して異なる製品カテゴリを想起する
      • ⇒自社製品カテゴリの祖納に気づいてもらう、併用を促す
    5. 課題に対して自社製品カテゴリの競合を想起する
      • ⇒製品カテゴリの内での自社の特長・強みをアピールする
    6. 課題に対して自社製品を想起する
      • ⇒行動のハードルを取り除く(主に検索)
  • 勝てる広告文を作る7つのTips
    1. 法人表記を入れる
      • 例:法人限定 電気代の見直しはこちらから|株式会社XXXX
    2. 具体的な数値を入れる
      • 例:400社以上が導入、売上30%増加、コスト削減50%実現
    3. 製品・サービスの強みを入れる
      • 例:価格の安さ、商品提供の早さ、発注規模の柔軟さ、老舗企業である、地域の広さ・専門性、独自機能 など
    4. 手に入れられるものを明確にする
      • 例:比較表ダウンロードはこちら、資料を無料でダウンロード
    5. 権威・実績×おすすめで訴求する
      • 例:導入数500社突破|おすすめの会計システムはコレだ
    6. 感嘆文を使う
      • えっ!こんなにコストが下がるの?
    7. 【】を使う
      • 【0円】から導入可能|【経理管理システム】〇〇