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ありがとう、目黒シネマさん。

観てきました。目黒シネマさんの「ちはやふる」上の句・下の句同時上映。

とにかく瑞々しすぎる。千早の通う”瑞沢高校”の瑞は、瑞々しいの瑞なんだろうか。

純粋に青春ど真ん中を疾走する主人公。ためらいつつ、彼女の輝きに魅了されてしまう少年たちの葛藤。その描き方がお見事。思わず共感する人が多いはず。

千早が新からもらった情熱が、太一をはじめ瑞沢チームのみんなに伝播し、最後には新に戻り、観客の心をつかんでいく。

とにかく中高時代へのノスタルジーがすごすぎて、こんな情熱を持って部活に向き合っていれば…と、少し人生を後悔する映画ランキング3位以内。超個人的野村周平くんのイケメン度が光る映画ランキング1位にランクインしました。

個人的に太一君には共感せずにはいられなかった。(やはりかっこいいぞ、野村周平くん)そしてこんなに三角関係をきれいに描いている作品は久しぶり。

また、キャストたちの演技もさることながら、國村隼の声にしびれる。

特に競技シーンの映像には見入ってしまう。競技かるたの激しい体の動き、手さばきを撮影するため、1秒で約1000コマの撮影が可能なハイスピードカメラ「ファントム」を用いたとのこと。

光の当て方も絶妙で、あの光り具合を出すためには照明をガンガンをたく必要があったはず。パンフレットによると”18kwの照明を至近距離で2台”用いたらしい。(もはやアクション映画。笑)

また、クイーンを演じた松岡茉優が本当に札一枚の端っこを綺麗にとれるようになった。というエピソードは、”カルター”になるためのキャスト陣の猛特訓ぶりに感服してしまう。

しかし「下の句」には突っ込みどころも多い。

特に許せないのが、北央からもらった超貴重なノートをカバンにいれたまま、太一の帰りを土砂降りの中で待つシーン。思わず「おい!」とまた思った(鑑賞2回目)。

ちなみに、多くの人がきっと気になっているであろう、「ちはやふる」の”ふる”がなぜ濁点のつく”ぶる”ではないのか。

それは、平安時代は濁点が使われなかったため「ふる」と書いて「ぶる」と読み、いまでは「ぶる」表記になっているものも多いものの、タイトルに濁点をつけたくなかったことと、「ふる」の方が細胞の揺らめきみたいな繊細さが感じられて、見た目も響きもカワイイと思ったから。

また、小学生くらいの子供がはじめて古典の札を見たとして「ふる」と書いて「ぶる」と読むとは思わないだろうという考えと、実際に原作者が幼少期にそう読めなかったから名付けたとのこと。

小倉百人一首それぞれの歌に込められたストーリーをもとに、登場人物たちの青春を描くという作品自体の構成は、本当によくできているなと思う。漫画1巻につき、二首ずつをテーマにストーリーを作っても、ざっと50巻分の展開は可能。頭いいな。

また、この作品で外せないのは主題歌の「FLASH」。本編が終わっても心地よい余韻が残る。”百人一首”と”デジタルサウンド”という真逆のものを合わせることを斬新だなぁと思いつつ、作品のテーマにぴったしと合う。

競技かるたは一瞬一瞬の勝負の世界。1,000年の歌い継がれてきた歌を一瞬で払いあう。その刹那性が主人公たちの青春の短さとうまく重なっていた。

最後に、予告編を2つ。


いやー、素晴らしい企画をありがとうございます。目黒シネマさん。

このタイミングで再び観られてよかった。自分もあれくらいの情熱を傾けたい。そして、続編が待ち遠しい。

原田先生の「青春全部懸けてから言いなさい」に改めて痺れる。頑張らねば。

“近江神宮参拝の為に滋賀県に行く”という、やりたいことが増えた。できれば和装を着て。