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エディ・レッドメインの演技がすごすぎる「博士と彼女のセオリー」


観てきました。内容は以下参照。

天才物理学者として将来を期待されるスティーヴン・ホーキング(エディ・レッドメイン)はケンブリッジ大学大学院に在籍中、詩について勉強していたジェーン(フェリシティ・ジョーンズ)と出会い恋に落ちる。その直後、彼はALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症し余命は2年だと言われてしまう。それでもスティーヴンと共に困難を乗り越え、彼を支えることを選んだジェーンは、二人で力を合わせて難病に立ち向かっていく。

流石はノミネート作品。って感じでした。ホーキング博士を演じたエディ・レッドメインの演技がすごすぎる。

主人公が難病に侵される場合、大抵が演じる側の気迫というか、”頑張って難病を演じきってやるぞ感”が出てしまうものですが、そういったわざとらしさが全く感じられない。本当にリアルすぎて、レッドメインが本当にALSなんじゃないか、と思いました。(いやまじで)

何ヶ月間もかけて準備したと言っていましたが、その努力をこんなに自然に表現できるとは。ものすごい役者なんだなと改めて再認識しましたね。

妻ジェーンを演じたフェシリティ・ジョーンズも素晴らしかった。

博士の症状が進行するにつれ、段々と鬱になっていく様子はすごく伝わってきました。博士と恋に落ちるシーンと衰弱しきった彼を介護するシーンを比較すると表情の違いが面白いです。(特に口元)

ただ、演技だけでなく、ただただストーリーもよかった。二人の関係は最後まで思いやりに溢れていましたね。(詳しくは書きませんので、観てください)

妻ジェーンの伝記をもとに脚本化したみたいですが、ALSの夫を支え、子育てをする妻の苦労が、ただの美談で済むわけはなく。愛して悩んで、葛藤して奮起して、時に心が折れかけて、、、。劇中でもよく表現されていたと思いますが、おそらく現実はもっと壮絶だったに違いないでしょう。

また、服装が素敵でした。60年から80年代の英国服飾ということで。舞踏会のシーンでは、色使いが夏っぽい淡いパステル調の服装が芝生と夜空とパーティの灯りにすごく映えていて華やかでした。淡い水色ドレス姿のフェリシティがこれまた美人だこと。

Production Notesにはこんなことが書いてあったので、注目するとより楽しめるかもしれませんね。(下記)

「ジェーンは1970年代に最悪の状態を経験してちょっと鬱状態になる。だからその時の色遣いは、よりくすんだものにした。ジョナサンと出会った後はそんな状態から脱して、少しばかり派手な服を着るようになる」

ちなみに主演のレッドメインは、ホーキングを演じるに渡り77着もの服を着替えていたらしいです。すごいですね。

However bad life may seem, where there is life, there is hope. – Stephen Hawking

映画権を妻のジェーンから得るまでに8年、完成するまでは10年かかったそうですが、偉人ものは当人が亡くなってからの映画化が多い中、OKサインを出したホーキング博士に感服です。

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6才のボクが、大人になるまで。

やっと観ました。タイトルが好きなのでそのまま使います。

ストーリーは下記の通り。

メイソン(エラー・コルトレーン)は、母オリヴィア(パトリシア・アークエット)と姉サマンサ(ローレライ・リンクレイター)とテキサス州の小さな町で生活していた。彼が6歳のとき、母は子供たちの反対を押し切って祖母が住むヒューストンへの引っ越しを決める。さらに彼らの転居先に、離婚してアラスカに行っていた父(イーサン・ホーク)が1年半ぶりに突然現れ……。

この作品にストーリー的な面白さ、展開を求めるのは相当野暮ですね。
ジェットコースター的な展開を求める方は見ないほうがいいです。なぜなら、この作品の主役は「時間」だから。

とりあえず、12年にわたって同じキャストで撮ってみようというその発想。
そして、それと同等かそれ以上に、それを快諾したキャストがすごい。

特に主人公。彼は撮影開始当初、6歳ですからね。もはや意味がわからなかったんじゃないかと。
(実際、インタビューで途切れ途切れにしか記憶がない。って言ってますね。)

で、それと同時に、その主人公をキャスティングした監督もすごい。。。
12年が経ち、最後18歳で迎えるエンディングには、それはまたまた美形な男子になっているという。
ジャニーさん的な感じでしょうか。亀梨くんとかがジュニアに入りたての時と比べて格段にカッコよくなっている的な。

その上でさらに凄いのは、主役の男の子が成長するにつれ、どことなく父親役のイーサン・ホークとも似てくるという。なんなんだこれ。

(イーサン・ホーク出演作では「GATTACA」がオススメなので、興味がある方はぜひ。2011年にNASAが選ぶ「もっとも現実的なSF映画ランキング」で第一位に輝いた作品です)

GATTACA

子役を使う必要もなく、特殊メイクもない。加齢や生成変化によったリアルな「時間の経過」を感じる。

キャストがもういやだ!と言いだすとか、不慮の事故に襲われるとかなかったんですかね。
12年なのでこれほどのキャストを抱えたら確率的にもあっても全くおかしくないはずよね。

まさしく幸運に恵まれたというか、ある意味「奇跡的な」映画だと思いました。

テーマはおそらく人生の長さにおける「瞬間」について。

主人公を通して覗くリアルな12年という「瞬間」の積み重ね。
「12年」って聞くと確かにかなり長く感じる。けれど「12年間生きてきた中での”一瞬”」とは。

2000年のヒット曲コールドプレイの「Yellow」で始まり、ドラゴンボール、ハリーポッター、iMac、iPod、Wii、レディーガガ、フェイスブックなどのカルチャーをちらりと見せ、911、サブプライム、オバマ大統領戦などの世相も織り交ぜることで、時の流れを感じさせているところもわざとらしくなくていい。

そしてもう一つ「家族」についての映画でしたね。

主人公と同様に、両親と姉にも等しく時は流れる。
ガキっぽい父がそれなりにしっかりし、母はこれまでの人生に嘆き、姉は今を楽しむ。

「これまで生きてきた中で大ニュースをあげるとすれば結婚して、出産して、離婚して、資格を取っていい職に就いて、…。人生ってもっと長いと思ってた。と母が嘆くシーン。

自分もそんな言葉を発するんだろうか。
そして、自分の両親はどう思ってるんだろう、と考えさせられました。

「いい映画はただ見るだけではなく、体験するものだ」
と、誰かが言っていたけれど(誰だっけ)、こんなに豊かでパーソナルな体験を実感できる作品はないと思いますね。

只々ぼーっと観ていると、そのまま通り過ぎてしまうくらい何気なく発せられている、人生の教訓めいた言葉。
ゆえに大きな衝撃はない。けれど、それがまた良い。何度も観返してまたその言葉を聞きたくなるシーンが多かったです。

エンドロールになっても、彼のこれからの行く末をずっと見ていたいと思えてくる。

そんな作品でした。絶対もう一回観る映画リストに追加。

「”一瞬を逃すな”って大人は言うけど何でだと思う?」
「人生はそのときそのときの一瞬一瞬が付いて回るものだ」

最後のセリフがとてもよかった。

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映画「シェフ」にはジョン・ファヴローのマルチな才能を感じた。

観ました。

ストーリーは下記の通り。

ロサンゼルスの有名レストランで総料理長を務めるカールは、口うるさいオーナーや自分の料理を酷評する評論家とケンカして店を辞めてしまう。心配する元妻イネスの提案で、息子パーシーを連れて故郷のマイアミを訪れたカールは、そこで食べたキューバサンドイッチの美味しさに驚き、フードトラックでサンドイッチの移動販売をすることを思いつく。カールはイネスやパーシー、仲間たちの協力を得て、マイアミからニューオリンズ、ロサンゼルスへと旅を続けていく。

とにかくハイテンションで、南米の雰囲気が素敵なハッピーな映画です。文句なし。

南米料理の脂肪と糖分たっぷり料理のシズル感がすごすぎて、ひたすらお腹すきました。
各種SNSの盛り込み方も、主役の不慣れ感も含めてよかった。

本場のキューバサンドは、外側にもバターを塗って焼くんですね。
サブウェイとかこれに則って、キューバサンドキャンペーンやればいいのにって思ったけど、コンセプト丸崩れか。

息子に作っていたクロックムッシュも美味しそう。
カフェ・デュ・モンドのベニエも気になる。

また、この作品の主演・製作・監督・脚本を、ジョン・ファヴロー(主演の太っちょの男性)が務めているのが驚きでしたね。

「アイアンマン3」「アベンジャーズ」の製作総指揮後に手がけた作品だと思うと、この役者は本当にマルチな才能に惚れ惚れしました。
前半部分、あんなにガタイのいい人が繊細な料理を作る画はちょっと面白いけれど。

他キャストも割と豪華。

印象的なのはやはり、スカーレット・ヨハンソンかな。
もう「her」で散々取り上げられていたけれど、この人のハスキーボイスは本当にエロい。
アーリオオーリオがあんなに色っぽく見えるとは。。

ナオコーラと「her」

そして、奥さん美人!と思っていたら、42歳なんですね。すごいな。
ソフィア・ベルガラ(Google画像検索)

最近はこういう映画が好きです。
日常の延長線上にあると感じられて、飛躍しすぎず、一人間の転機を描いているのだけれど、とてもリアリティがあるような。そして終わり方がナチュラルでおしゃれな。

考えてみると、「はじまりのうた」もそうだったな。細部とかめちゃこだわってるんですよね。”自然を表す演出”が本当に自然に見えているから良い。

演じようとする歌手、歌おうとする役者

あと、この作品がいい!と思ったら、ぜひパンフレット買うといいですよ!
本作品に出てきたメニューのレシピが、コウケンテツの監修とかで載ってるので。

キューバサンドパーティとかやりたいな。(絶対やらない気がする)

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