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映画館で観ないと意味のない映画「ゼロ・グラビティ」

クリスマスイブ。せっかく大学に登校したのに「全て休講」という洗礼を受けて、なんだかうおぉぉぉっって気分になって、観てきました。ゼロ・グラビティ。本来のタイトルは”GRAVITY”なんですね。監督はアルフォンソ・キュアロン監督。あの「ハリーポッターとアズカバンの囚人」を撮った方です。

プロモーションの映像がとびきり凄くて、散々期待させたあげく…..っていうパターンかな。と思いきや、全くもってそんなことなかったです。もう、圧倒されました。(マン・オブ・スティールに同じ感じの期待をしていたのが懐かしい)2013年に観た中で、個人的に面白かった作品を10本ノミネートしようかな?とか妄想していたんですが、一昨日に観た「永遠の0」と並んで、ここに来てランクインしそうです。

“宇宙のゴミ問題”という要素もあれど、この作品は感覚的に堪能しなければいけない映画ですね。圧倒的な映像美、迫力のあるサラウンド、主人公の緊迫感、、、これは3Dで観ないともったいない。(出来ればIMAXで。IMAXのプロモーションがわざとらしくてうざったいなぁと思っていたけれど、確かに凄かった。あっぱれ)(メガネの上から3Dメガネかけられてよかった)

音声に関しては、水の中、宇宙空間、スーツの中、と音の切り替えがとても巧みに使われていて、主人公の緊迫感がより一層強調されていました。残念ながら、日本にはこういう類の映画は絶対に作れないですね。もう、格が違います。

永遠の0を観た後だったので、”90分って短いんじゃないか?”と思っていましたが、展開の決して早すぎないテンポの良さと映像美に引き込まれる分、全くそんなことはない。劇中に出てくる”90分”という設定も上手いですね。(観れば分かります)

また、どうしてこんなに3Dでハラハラしたのかというと、ムダが一切なかったからだと思います。宇宙空間のスケールを表す為か、不要なBGMはなく、登場人物も極力減らしている。出演者はサンドラ・ブロックと、ジョージ・クルーニー以外はほぼ音声のみといってもいいくらい。ストーリーは極めてありきたりでも、状況設定を宇宙空間という特殊な環境にすることで、これほど刺さる映像表現が出来るのはすごいです。本当に。

実はスピンオフ作品があるそうですね。しかも、アルフォンソ・キュアロン監督の息子、ホナス・キュアロンが監督を務めているらしいです。すごく観たいんですが、動画環境が不調で何故か観れないので、誰か観たら教えて下さい。

【衝撃事実】絶賛映画『ゼロ・グラビティ』スピンオフ作品で語られない事実を知る / 鑑賞者「涙が出てきた」

ストーリーはありきたりではあったにしろ、宇宙空間でのシーンとラストシーンのコントラストが色濃く映っていて素敵でした。決して意外な終わり方なわけではないんですが。

話は変わりますが、上映まで時間があったので、サンマルクカフェで食べていたデザートに興味を持ったらしく、話しかけてきてくれたおばさま。どうやら慶應出身らしく、映画も大好きで話が弾むというかなり良い出会いがありました。今日は「利休をたずねよ」を観るらしく、自分も観る予定の映画を伝えようとしたら「最近の映画は音響が凄すぎて疲れるのよ」と言われ、結局「”武士の献立”を観ます」と嘘をつきました。ごめんなさい。おばさま。もうこの際、武士の献立も観に行こうかしら。

1本くらい見てないものがあるであろう、オススメ映画14本。

今年(9月16日現在)、135本の映画を見ました。劇場、DVD、PCで拾ったものを合わせて。

(ちなみに、記念すべき100本目は”ニュースの天才”という、スター・ウォーズエピソードシリーズで若き頃のアナキンを演じていた、ヘイデン・クリステンセンが主演の作品で、111本目は”ルビー・スパークス”という素敵な恋愛作品、120本目は”僕の彼女はサイボーグ”。とりあえず綾瀬はるかが可愛いかったです。)

そのことを友人に話したところ、おすすめ映画で、出来れば、“マイナー過ぎないけど程よくマイナーな作品”を教えてほしいと言われたので今、ぱっと思いつくものをまとめます。

※ネタバレはありません。

なので、”ショーシャンクの空に”や”LEON”のように名作すぎるものや、”インセプション”のように、面白いのなんか知ってるわ!ってものは除きます。(本当は”シンドラーのリスト”であったり、”プラダを着た悪魔”だったりも推したいんですが。)

イエスマン

「ノー」が口癖の人生に後ろ向きな男カールは、生き方を変えるために参加したセミナーで、「どんな事に対しても『イエス』と答えることが、意味のある人生を送るための唯一のルール」と教えられる。それから「イエス」を連発するようになったカールの運気は上がっていくのだが……。「マスク」「トゥルーマン・ショー」のジム・キャリーが主演するコメディドラマ。共演に「ハプニング」のズーイー・デシャネル。監督は「チアーズ!」のペイトン・リード。

ジム・キャリーが嫌いじゃない人は見るべき作品だと思います。とても面白い。ヒロイン役は「(500)日のサマー」のズーイー・デシャネル。この作品では劇中でも、エンディングでも彼女が歌っていて、その歌がまた中毒性のある楽曲に仕上がっているところもポイントの一つですね。軽くサクッと見れるので、ぜひ。それと、必ずDVDで見て下さい。メイキング映像がこれまた面白いので。

ヘアスプレー

ジョン・ウォーターズ監督が88年に発表した青春映画「ヘアスプレー」は、02年にブロードウェイでミュージカル化され、トニー賞8部門を受賞した。そのミュージカルをジョン・トラボルタ、クリストファー・ウォーケンら豪華キャストで映画化。60年代ボルチモア、人気TV番組「コーニー・コリンズ・ショー」に憧れる、ちょっと太めの女子高生トレーシーは、番組レギュラーメンバーのオーディションが開催されると知り、喜び勇んで挑戦するが……。

ミュージカル映画が苦手ではない人は必見です。これまた歌の一つ一つが素晴らしい。ハマる人はyoutubeで何度も見ると思います。(なかなかサウンドトラックがレンタルCDショップに置いてない!)主人公トレーシーのお母さん役をジョン・トラボルタが演じているということも注目して見て下さい。黒人差別を取り上げている割に、そのことについての言及が薄いこと薄いこと。でもそのくらいの軽さがこの映画の良さなんだと思います。

孤高のメス

医師の大鐘稔彦のベストセラー小説を、「クライマーズ・ハイ」脚本、「フライ,ダディ,フライ」の成島出が映画化した医療ドラマ。主演に成島と3度目のタッグとなる堤真一、 共演に夏川結衣、吉沢悠、中越典子ほか。地方都市にあるさざなみ市民病院に赴任してきた外科医の当麻鉄彦は、保身のための無責任な手術や患者のたらいまわしを繰り返すその病院で、患者を第一に考えた処置で淡々と手術をこなしていく。そんな当麻の姿勢が、大学病院や医療事故への恐れから停滞していた病院を少しずつ変えていくが……。

堤真一の演技力ってやっぱり凄いですね。容疑者xの献身での演技が個人的に印象的ですが、この作品も寡黙ながら圧倒されるその雰囲気にぴったりでした。医療ものですが、どちらかというとヒューマン系に近くグロテスクな描写は少なく見やすいと思います。

ルビー・スパークス

「リトル・ミス・サンシャイン」のジョナサン・デイトン&バレリー・ファリスが同作以来6年ぶりに手がけた監督作。スランプ中の若手作家と現実世界に出現した小説のヒロインが繰り広げる恋を描いたラブストーリー。脚本を執筆し、タイトルロールを演じたのは、映画監督エリア・カザンの孫娘ゾーイ・カザン。19歳で天才作家として華々しくデビューしたものの、その後10年間にわたりスランプに陥っているカルヴィンは、夢で見た理想の女の子ルビー・スパークスを主人公に小説を書き始める。するとある日、目の前にルビーが現れ、カルヴィンと一緒に生活を始める。しかし、ルビーが自分の想像の産物であることを隠そうと、カルヴィンは周囲と距離を置き、そのことに寂しさを覚えたルビーは、新しい仲間たちと交流を広げていく。そうして次第に関係がぎこちなっていく2人だったが……。

ストーリーとしては、結構ありきたりかもしれませんが、とにかく綺麗でした。映像美というよりも、作品中に出てくるものの一つ一つがスタイリッシュでおしゃれといったような。世界観とでも言うべきでしょうか。主役の二人が実際に付き合っているというのも素敵ですね。「リトル・ミス・サンシャイン」の監督と、「(500)日のサマー」のスタジオがタッグを組んだ作品です。どちらかの名前にピンと来た人は見ても良いかもしれません。

kiss me stupid.ああ、言われたい…

グッド・ウィル・ハンティング

天才並みの頭脳を持ちながら、幼児期のトラウマが原因で周囲に心を閉ざし非行に走る青年と、妻に先立たれ人生を見失った精神分析医との心の交流を描いた感動作。本作で脚本家デビューを飾ったマット・デイモンとベン・アフレックが見事にアカデミー脚本賞を獲得したことで話題に。また、孤独な精神分析医を演じたロビン・ウィリアムズも助演男優賞を獲得している。監督は「ドラッグストア・カウボーイ」の鬼才ガス・バン・サント。

ヒューマン系が好きな方は必見です。無理矢理にでも感動させようとしているもの(“泣ける映画!”などという宣伝文句をしているもの)が、個人的にあまり好きではないのですが、この作品はそんなに重い題材を取り上げている訳でもない為か、ナチュラルに見ることが出来、見た後にとても心地よい気分になれます。”素敵”という言葉がぴったしな作品。

ファイト・クラブ

心の中に問題を抱えるエグゼクティブ青年ジャックはタイラーと名乗る男と知り合う。ふとしたことからタイラーとジャックが殴り合いを始めると、そこには多くの見物人が。その後、タイラーは酒場の地下でファイト・クラブなる拳闘の秘密集会を仕切ることに。たくさんの男たちがスリルを求めて集まるようになるが、やがてそのクラブは恐るべきテロ集団へと変貌していく……。「セブン」のコンビ、ブラピとフィンチャー監督が再び組んだ衝撃作。

この作品を初めて見たときは、いろいろと衝撃でした。表現も真新しさを感じるものばかりで、1999年に作られたとは到底思えません。ところどころサブリミナル効果が入っているのにも注目して見て下さい。監督は「ソーシャル・ネットワーク」のデヴィット・フィンチャー。

南極料理人

南極観測隊員の西村淳のエッセイ「面白南極料理人」を、「クライマーズ・ハイ」の堺雅人を主演に映画化。極寒の南極ドームふじ基地にやってきた8人の観測隊員の1人、西村の仕事は隊員の毎日の食事を作ること。約1年半、遠く離れた日本に家族を残し、隊員たちは悪戦苦闘しながらも次第に絆を深めていく。共演に生瀬勝久、きたろう、高良健吾ら個性派が揃う。

最高です。今現在、邦画の中で一番好きです。このシュールな笑い、柔らかく、暖かい雰囲気。この世界観は洋画では絶対に出せないと思います。また、登場人物の一人ひとりが最高に良い。やはり、堺雅人って凄い役者なんだなぁということを、この作品を見て思い知りました。また、エンディングに使われているユニコーンの「サラウンド」という楽曲も、ハマる人がいると思います。

いまを生きる

59年、ニューイングランドの全寮制学院を舞台に、学生たちの愛と生、そして死を描くドラマ。製作はスティーヴン・ハフトとポール・ユンガー・ウィット、監督は「モスキート・コースト」のピーター・ウィアー、脚本はトム・シュルマン、撮影はジョン・シール、音楽はモーリス・ジャールが担当。出演はロビン・ウィリアムス、イーサン・ホークほか。

今年に入ってから見たのですが、感動したと同時にもっと早く見ておけば良かったなぁと物凄く後悔した作品ですね。(“ショーシャンクの空に”と同様に)(今で言う”校則の厳しい進学校”が舞台となっていて、私事ですが、自分が通った高校を思い出しました。)エンディングは少し切ないですが、自分は好きですね。

ジョゼと虎と魚たち

田辺聖子の同名原作小説を、「二人が喋ってる。」「金髪の草原」の犬童一心監督が映画化。足の不自由な女の子ジョゼと、平凡な大学生の青年の出会いから別れまでをビター・スウィートに描く。主演は妻夫木聡と池脇千鶴。脚本は、岩井俊二ウェブサイト<シナリオどんとこい>出身の新人、渡辺あや。音楽はくるり。

主役二人の演技がとにかく素晴らしいですね。この映画を好きと言うと、なんだか通ぶっている感じがしてしまいそうだなぁと気にしてしまう作品でもあるのですが。映画なのに、どこも映画らしくない。全てがリアリティに溢れた作品です。

アイデンティティー

豪雨のために交通が遮断され、さびれたモーテルに泊まることになった10人の男女は、若いカップル、わがままな女優とそのマネージャー、囚人と彼を護送する刑事、子供連れの夫婦など。まもなく女優が行方不明になり、その頭部が乾燥機の中で発見される。犯人は誰なのか? その目的は? 謎の犯人は殺人を続けていく。監督は「17歳のカルテ」のジェームズ・マンゴールド。脚本は「キラー・スノーマン」のマイケル・クーニー。

ぶっちゃけ全くマイナーではありません。笑 でも、かなり古い作品なので世代によってマイナーと化している可能性にかけて紹介します。最初は淡々と進んでいきますが、ラストに向かうにつれて……といった感じ。何重かにひねってあるので、騙される人も多いと思います。この作品を紹介した友人は、見ている中で分かったらしいですが、それでも面白かったとか。

ユージュアル・サスペクツ

5人の悪党が集まった犯罪計画の顛末を、トリッキーかつ巧緻な構成で描いたクライム・ミステリー。「パブリック・アクセス」で93年度サンダンス映画祭グランプリを受賞した監督のブライアン・シンガー、脚本のクリストファー・マックァリーの新鋭コンビの第2作で、95年度同映画祭に招待上映されて以降、世界各国でロングラン・ヒットした。製作はシンガーと「ゴールデンボンバー」のマイケル・マクドネル。エグゼクティヴ・プロデューサーはロバート・ジョーンズ、ハンス・ブロックマン、フランソワ・デュプラ、アート・ホーランの共同。撮影は「プラトーン」「サーモンベリーズ」のトム・サイゲル、美術は「愛を殺さないで」のハワード・カミングス、音楽と編集は『パブリック・アクセス』のジョン・オットマンが担当。出演は「ミラーズ・クロッシング」「デッドマン」のガブリエル・バーン、「セブン」のケヴィン・スペイシー、「男たちの危険な午後」のスティーヴン・ボールドウィン、「ブロードウェイと銃弾」のチャズ・パルミンテリ、「カジノ」のケヴィン・ポラック、「父の祈りを」のピート・ポスルスウェイト、「ブローン・アウェイ 復讐の序曲」のスージー・エイミス、「サーチ&デストロイ」のダン・ヘダヤほか。第68回アカデミー・オリジナル脚本賞(クリストファー・マックァリー)、助演男優賞(ケヴィン・スペイシー)受賞。96年度キネマ旬報外国映画ベストテン第7位。

アイデンティティーとともに、全くマイナーな作品ではありませんが、見たことのない人が多いかもしれないので紹介します。最初は回想シーンが多く時間軸がずれるので、あたふたしてしまう印象(この前観た、マン・オブ・スティールもそんな感じでした)。最後にかけてのぐぉぉぉぉっ感が凄いです。ぐぉぉぉぉっ感。

グラン・トリノ

アカデミー作品賞受賞作「ミリオンダラー・ベイビー」以来4年ぶりとなるクリント・イーストウッド監督・主演作。朝鮮戦争の従軍経験を持つ元自動車工ウォルト・コワルスキーは、妻に先立たれ、愛車“グラン・トリノ”や愛犬と孤独に暮らすだけの日々を送っていた。そんな彼の隣家にモン族の少年タオの一家が越してくる。ある事件をきっかけにして心を通わせ始めたウォルトとタオだったが、タオを仲間に引き入れようとする不良グループが2人の関係を脅かし始め……。

クリント・イーストウッド作品で一番好きですね。人生の終わり方を知らないおじさんと、人生の始め方を知らない少年の物語。アメリカについて、少しでも知識のある人は少し深く観ることが出来るかもしれません。(作品を観た後、ぜひこのページを見て下さい。)

カッコーの巣の上で

刑務所の強制労働から逃れるため精神異常を装い、精神病院に入ったマクマーフィは、絶対的な管理体制をしくラチェット婦長のやり方に反発を覚える。マクマーフィは、管理されることに慣れ、無気力になっていた入院患者たちに生きる希望と活力を与えようとするが……。人間の尊厳と社会の不条理を描いたヒューマンドラマの名作。アカデミー賞では作品賞、主演男優賞(ジャック・ニコルソン)、助演女優賞(ルイーズ・フレッチャー)ほか主要5部門を受賞した。

映画引退?という報道がなされている、ジャック・ニコルソン主演の名作です。多分全くマイナーじゃありませんね。はい。笑 まだ見てない人がいることを願って紹介します。とりあえず、ジャック・ニコルソンの若さがもう既に衝撃なんですが、精神病院を舞台にしている割には、抵抗がなく見れる上に、精神病院という場では語りきれないものを語っている点がこの作品の凄さだと思います。

リトル・ミス・サンシャイン

サンダンス映画祭で絶賛され、第19回東京国際映画祭でも最優秀監督賞、最優秀主演女優賞、観客賞など最多3部門を受賞したロード・ムービー。アリゾナからカリフォルニアまでのバス旅行を通じて、崩壊寸前だった家族の再生を描く。監督はこれまでジャネット・ジャクソンやREMなどのPVを手がけ、本作で劇場映画デビューを飾ったジョナサン・デイトンとバレリー・フェリス夫妻。

とても可愛らしい作品です。キャストが良く、ストーリーが良く、全てのバランスが良い。ちなみに長男役は「ルビー・スパークス」のポール・ダノです。若いですね。

以上、1本くらい見てないものがあるであろう、オススメ映画14本でした。借りるものを決めてないけど、何となくDVDが見たいなぁ。という時、ぜひ参考にしてみて下さい。この記事を書いている時にも、違う作品がいくつか思い浮かんだので、また一定数見たらまとめたいと思います。

マン・オブ・スティールに感じる親子愛と宿命。

念願だった、MAN OF STEELを観ました。(ネタバレあります、最小限にしますが)

スーパーマン。言わずと知れたアメコミスーパーヒーローものを、インセプション、バッドマンダークナイトシリーズのクリストファー・ノーランと、300(スリー・ハンドレット)のザック・スナイダーがタッグを組んでリメイクした作品。従来のイメージとは違った、”人間味溢れる英雄”として描かれているところがポイントです。

ちょっと、この作品はPVのクオリティが高すぎて、期待値MAXで観てしまったから、その分思うことも多かったような。

とりあえず、凄かったのが、

①圧倒的な映像美
②音楽の良さ
③迫力あるアクションシーン
④主役の筋肉
⑤親子の愛

と言ったところ。①と③に関しては、流石はザック・スナイダー。本当に凄いです。どうしたらこんな映像が作れるんだろうといった感じ。アクションシーンの迫力に関しては、これまでで一番じゃないかなぁとも思った。

④に関しては、もう逞しい体つきには文句のつけようがない。毎日5000キロのカロリーを摂取して、トレーニングをするだけのことはあると思う。

⑤に関して、この映画のキーが強靭な力を持った主人公は、孤独を味わい苦悩するも、その数奇な運命を背負って生きていくことを決意し、やがて”スーパーマン”として正義の為に奮闘していく逞しさに対して、主人公のそういった素晴らしい精神を作り出すのに、とても重要なのが親の愛情と理解であって、(もう少し深く描いていいのにと思ったけども)そこは凄く伝わってきた。(育ての親は死ななくて良かったとも思うけど)

あとは、少し残念だと思った点がちらほら。

①戦闘がめちゃくちゃで、アクションがくどい。とにかく物を壊すわ、てんやわんやで、ゴジラとかそういう系統の怪獣映画っぽくも感じたし、一緒に観た友人が言っていた「ドラゴンボールの実写?」という言葉にもああ確かに。と思ってしまう。ハリウッドが本気でドラゴンボールを作ったらあんな作品になるのか!といったような。無理矢理ビルを壊すように演出しているのが見えてしまって、そこに対する違和感は拭えなかった。いきなりゾッド将軍が赤い光線出せるようになったのかと、将軍の最期も少し呆気ない。

②回想シーンがちょっとややこしい。いや、クリスファー・ノーラン、センス良いんだけど、今回はちょっと入れ過ぎたのか、ちょっとせわしかったな。幼少期から順々にやったらどれだけ時間かかったんだろうとも思うから、回想にするのは正解なんだけども。

③話が単純。これは、スーパーマンという話を知らないからなのかもしれないし、スーパーマンのストーリーを頭に入れて観ていればこんなことを感じないのかもしれないけれど、なんだか色々と都合がいい。ブラックホールに飛ばすとか、太陽の光によってすくすくと成長したから、その分強くなったとか。ワールドエンジンとか何事?的な。心情的な面においても、主人公が特殊な能力を持ったことによる孤立や葛藤と、親からの深い愛情と理解だけでは、ちょっと足りない感がした。なぜかバットマンと比べてしまうのだけど、もっと心理描写において多くの要素が詰まっていたように思う。そして、多分リアリティの無さからの違和感が大きいんだと思う。吹っ飛びまくる敵。これでもかと言うくらい壊れていく建物。超人的な能力。

といった感じ。まぁでもクリプトン星滅亡前のことは、映像美とともに、とても丁寧に描かれていて良かった。

ちなみに、主役のヘンリー・カヴィルの俳優人生はかなり波瀾万丈で、「007」シリーズのボンド役の最終選考まで残ったものの、若すぎるという理由で、ダニエル・クレイグにその座を奪われ、「トワイライト」シリーズでは年齢が高すぎる為、エドワード役はロバート・パティンスンに渡ったとのこと。今回の役が決まった時、家の階段を15分間、叫びながら上り下りして興奮したらしいです。

続編があるようだけど、どうやってバットマンを出すんだろうか。スーパーマンがもう強すぎるから他にヒーローはいらないんじゃないかと思う。友人が言っていた「記者としてバットマンの元に取材しにいく」というのは、あながち間違いじゃない気がする。

にしても、あの青×赤のどう見てもダサいスーツを、良くここまで格好良く映すことが出来るなぁ。と感心しました。