上からはいりも下からもはいり。


観ました。

DVDでもいいんじゃね?という意見が多かったですが、今回は劇場にこだわる理由があったんですね。「”片桐はいり”をフルスクリーンで堪能する為」なんですが。(悪趣味)

下からはいり、横顔はいり、どアップはいり….

それはもうすごかったです。迫力満載。

ものすごくほのぼーのとした展開でしたが、ところどころで笑えるポイントがある。そして、かなりシュール。こんなレベルでいいの?ってくらいシュール。でも片桐はいりだと笑えるんですよね。すごいです。改めて。

また、あまり劇場で邦画って見ないんですが、今回の作品ではかなりカメラが動いていたような。特に冒頭のカメラワークは、SPEC結の漸の編くらいに動いてたように思います。映像的なほのぼの感でそんなに動くの?と思ってしまったくらいに。(途中から気にならなかったけれど)

作品のテーマとしては、幸せの二面性、さえない男性の恋愛、一歩踏み出す重要性などもあると思いますが、一番伝えたいのは「家族という不思議(神聖、特別)な縁」なのかな。と。

やはり、この世に生を受けて一番初めにできるつながりで、何においても関連してくると思うんですよね。恋愛も仕事の成功も何もかも。家族との関係が良好であれば、他のこともうまくいくし、家族との仲が悪い、例えば親と口聞いてない友人とかって見ててわかっちゃったりしちゃうもので。

今回、弟の恋愛の妨げが実は姉とのエピソードだったり、逆に姉は姉で弟とのエピソードを背負って生きている。しかも、両親を幼い頃に無くした分、二人の関係性も濃密になっている分、尚更両者の人生に色濃く影響してると。(弟=33(?)歳、姉=40歳でまだ背負ってますからね)

弟は姉の無茶振りを面倒くさがりながらも、最終的にすべて応じてしまう。姉は奔放に生きているかと思いきや、実は弟のことを想って、失恋から立ち直らそうとしている。その不器用なぎこちなさが良かったです。

また、主題歌も作品に合ってましたね。阿部真央の「それぞれ歩き出そう」。こんな声だったっけ?とも思ったんですが、ゆるくて前向きなメロディが締めくくりとしてはかなり最適。

キャストとしては、やはり片桐はいりはすごいな。と。演技がうまいのはもちろん、いるだけで画になるんですね。ただそこで佇んでるだけで。最後の方にある”月明かりに照らされる片桐はいり”というシーンがとても印象的で、多分夢に出てくることでしょう。

向井理も頑張ってたと思います。さえない奥手男性をよく演じていたなぁと。まぁでもやはり向井理は向井理で、どんなにオヤジ臭い服装をしても、よれよれシャツでも、寝巻き姿でも、基本的にかっこいいんですよね。そして、顔が小さい!(羨ましい!)片桐はいりと比べると尚更そう思います。

個人的に、山本美月がかなりハマり役だったなー。と。この女優さんは「桐島、」でのモテモテ女子高生の役がかなり印象に残っているんですが、今回の”絵本作家×地味”という設定もものすごくあってましたね。少し田舎臭さの残る美人さんといった路線で。地味も派手もいける女性はかなり芸の幅が広がるんだろうなぁ。二階堂ふみとか、貫地谷しほりとか、満島ひかりとか。

うぉぉぉおっ!といった山場もないですが、主演の二人がお互いに姉弟として想い会うシーンの温かさがにじみ出ていて、素敵な作品でした。家族という単位にフォーカスして観る作品なので、誰でも楽しめるかと。

これから観よう!と思っている方は、ぜひ一瞬だけ出てくる”片桐仁”に注目してみてください。本当にワンシーンだけなんですが、存在感半端ないです。彼。また、でてくる劇中セットの一つひとつも面白いです。(特に主人公の職場の入浴剤?など)

さて、自分も歩き出さんといかんですね。

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