小説の一行目

せっかくのGWだから、ということでひとまず読書。

面白い本を見つけました。

昭和十年から平成十八年上半期までの、芥川賞・直木賞全受賞作品300作品の冒頭一行目がただただ書かれているというもの。

なんとなく琴線に触れたもの(いや、そこまではいかないけど、気になったもの)をメモしておきます。

青白い夜が波のように寄せてはかえしている。

「しゃっくりが止まら、ないんだ」

ぼくは時々、世界中の電話という電話は、みんな母親という女性たちのお膝の上かなんかにのっているのじゃないかと思うことがある。

真っ赤な嘘というけれど。

さびしさは鳴る。

その疑いは、男がサラダに手をつけ始めた時からすでに生じていた。

「異議なし」

積もるほどではないが、やみそうにない。

「まるで馬鹿馬だ。」

知らないひとに、どこか愉快な場所の話をするときには、いきなり扉を開けてその場所の中身をみせちゃだめだ。

眼を開くと、闇はいっそう深かった。

私って、いったいいつまで私のまんまなんだろう。

ビニールシートが風に舞う。

それぞれの一行目がどの作品のものかの記載はあり。

気になった方、作家が作品の一行目にかける熱量を感じたい方は是非に。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA