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「超・箇条書き」を読んだ。

A・Tカーニーのマネージャーが書かれた一冊。

友人がおすすめしてたから読んでみたけど、確かに良書でした。

下記、確かにな~と思ったポイントをサマっておきます。

体言止めに逃げてはならない

「コストの低下」と記載しても、コストが下がったのか、下がっているのか、下がるのか、下げたのか、下げているのか、下げるのかがわからない。
そもそも状態を表すものか、行為を表すものかわからない(もちろん、読み手もわからない)

体言止めというのは多義的で、曖昧であるという前提に立つ必要がある。

構造化には「ガバニング」

ガバニングは直訳すると「統制する」などの意味。
外コンで「ガバニング」といえば、一般的に”頭出しのまとめ”を指す。 = 「ポイントは3つ」と宣言するやつ

スティーブ・ジョブズはガバニングの達人だった。

“Today, I want to tell you three stories from my life. That’s it. No big deal. Just three stories.”
(今日ですが、私はみなさんに、人生から学んだ3つのことをお話ししたいと思います。それだけです。たいした話はしませんから。ほんとたった3つの話しかしませんから)

“The first story is about connecting the dots.”
(最初の話は点と点をつなぐということです)

・・・(中略)・・・

“My second story is about love and loss.”
(2つ目の話は愛と喪失に関するものです)

・・・(中略)・・・

“My third story is about death.”
(私の3つ目の話はしに関するものです)

・・・(後略)

「フックをつくる」ことで相手の関心を掴む

相手が聞きたい、読みたいと思ってくれるように、関心を引くためには物語化が必要。
そして、物語化にはフックをつくる = 自分に関係があるものと認識される必要がある。

■フックをつくるコツ:イントロづくり ⇒ 出だし・書き出しを工夫する

ユニクロの投資家向けプレゼン資料では、箇条書きがよく使われる。

2015年8月期の振り返り
●海外ユニクロ事業が高い成長を維持
 ・特にグレーターチャイナ、韓国の業績が好調
 ・米国事業の赤字幅が拡大、全社をあげて課題への対策を強化中
●国内ユニクロ事業は増収増益を達成
 ・秋冬シーズンは、ヒートテック、ウルトラライトダウン、ウールセーターなど、冬のコア商品の販売が好調
 ・春夏シーズンは6月から売上が低調、4Qは大幅な減益
 ・マストトレンドを掴んだ商品開発、ニュースの発信力に課題
 ・2014年10月には、グローバル旗艦店のUNIQLO OSAKA、グローバル繁盛店の吉祥寺店を出店し、成功を収める
●ジーユー事業が大きく成長
 ・2015年8月期は大幅な増収増益を達成
 ・”ファッションと低価格”の新しいアパレルブランドとして、日本市場で確固たるポジションを確立

イントロにあえて「海外事業」を持ってきているところがポイント。

2015年8月期において、ファーストリテイリングの最大事業は圧倒的に国内。(全社売上の約46%)
海外事業は36%で、第二事業の立ち位置。

海外事業を伸ばすことが経営方針であり、強調すべきだから最初に持ってきた。
+投資アナリストもそのことを理解し、関心がある。だからこそ、事業規模の大きさを無視している。

ただ、アンサーファーストは万能ではない
結論をイントロに持ってくることは「アンサーファースト」と呼ばれる。

しかし、その妥当性は相手によりけり。
相手がまだ背景や経緯を理解していないときは、いきなり結論を持ってくるべきではない。
一方、最終報告など、相手が背景や経緯をすでに理解している場合は最初に結論を示すべき。

■フックをつくるコツ:「MECE崩し」で山場を作る

MECEの弊害=フックをなくし、相手の関心が引けなくなること
相手に伝えるべき情報、伝える必要がない情報を精査した結果、MECEにこだわらないほうがいいケースもあることに留意する

「スタンス」をとる

ダメな箇条書きは「で、それが何?」で終わる、
大事なのは、賛成なのか、反対なのか、A案なのか、B案なのかの「スタンス」を明確にすること。

多分、コンサル1年目が言われ続けるやつ。

「隠れ重言」を排除する

重言=顔を洗顔する、頭痛が痛い など

隠れ重言は、当たり前すぎてわざわざ伝える必要がないこと。

例えば、サッカー日本代表戦の解説で「日本はゴールが欲しいですね」などと言ってしまうこと。
サッカーをしていれば、ゴールを目指すのは当たり前。

こういった些末な事項で箇条書きを埋めてしまうのは勿体ない。伝えられる情報量には限りがある。

プレゼンにおけるNGワード集

~を改善する
上手くいってないのだから、改善するのは当たり前
⇒ 改善すること自体ではなく、どのように改善するかを相手に伝えないと意味がない

~を見直す
上手くいっていないのだから、見直すのは当たり前
⇒ どのようにして見直すのかを相手に伝えないと意味がない

~を推進する
やることが決まっているものを推進するのは当たり前
⇒ 具体的に何をするのかを相手に伝えないと意味がない

~を最適化する
最適化できるならするのは当たり前、最適化したくない人はいない
⇒ 具体的に何をすると最適化されるのかを相手に伝えないと意味がない

~のバランスをとる
これは「~を最適化する」と同じ、バランスをとるのは当たり前
⇒ どうなるとバランスがとれた状態で、そのために何をすればよいかを相手に伝えないと意味がない

~を徹底する
徹底できるならするのは当たり前
⇒ 具体的にどのように徹底するのかを相手に伝えないと意味がない

~を強化する
これは「~徹底する」と同じ、強化できるならするのは当たり前
⇒ 具体的にどのように強化するのかを相手に伝えないと意味がない

~を実行する
やっていることや、やることが前提のものを実行するのは当たり前
⇒ 実行すること自体ではなく、具体的に何をするのかを相手に伝えないと意味がない

時たま、お偉いさんのプレゼン内容が全く頭に入ってこないなーと思うときはだいたいこのワードが頻発だったりするな~と。