SPECはどうして面白いのか。

今日、映画につながるドラマ「SPEC 零」の放映があるということで、SPECがどうして面白いのかをちょっと考えてみました。

1, なぜなら、俳優の演技力があるから

戸田恵梨香と加瀬亮。主演二人の名演技は外せないポイントでしょう。他スペックホルダーも凄い。神木くんの可愛げを漂わせながら狂気に走る演技も素晴らしい。

2, なぜなら、登場人物のキャラがいいから

天才故に変人、そして熱血馬鹿。だけど、生き方が真っすぐで人間としてカッコいい主演二人。二人を温かく見守る係長。個性が豊かすぎるスペックホルダーとその他の方々。一人ひとりのキャラが物凄く濃くて、それぞれがきちんと立っているから、コアなファンが生まれやすいんだと思います。(コアなアニメファンが生まれるようなイメージ)(でも、城田優の狂ったキャラは男子が見てもひどいですね)

3, なぜなら、ギャグを許容できる雰囲気があるから

係長がところどころでいれるギャグ。ぶっちゃけ一つ一つを見ると、そんなに面白くはないですよね。それをうるさくもウザくも思わせない作品自体が持つ雰囲気がなかなかなく、この作品の凄いところなんだと思います。はっきりとしたギャグではないんだけど、センスの良い知的な面白さが鏤められているから、ストレートなギャグが出てきた際に、違和感をあまり感じないのかもしれません。
(この雰囲気でつまらないと感じる人もきっといるはず)

4, なぜなら、監督が堤幸彦だから

ギャグ要素はいいとして、この監督の特徴としたら映像の独特なカット。東京都庁?東京タワー?赤坂?(詳しく覚えてないのですが)を上から撮影するカット。超人的な聴力を持つ桂小次郎が出たときのあの上からのカット等が特異で、他の作品ではなかなかないですよね。そして、ほんのりダークでシュールな世界観。ところどころ有名アニメ、ドラマのキャラクター、ネタを入れてくる作風。ドラマ最終回のエンドロールの終わりに、”映画かなんてぜってぇしねぇから”と当麻に言わせておいて、映画につながるドラマのエンドロールの終わりに、”東宝さんよろしくお願いします”と瀬文が言うというキャラを活かしたシュールな面白さが出来る雰囲気を醸し出せる作品を作れる監督が凄い。

5, なぜなら、主題歌がいいから

この作品の、なんとなくダークでごみごみした感じにめちゃめちゃマッチするんですよこれが。堤監督の指示で、ドラマ版は各回毎に楽曲にアレンジが入っているのも凝ってますよね。ドラマ版のエンドロールのデザインもオシャレなことオシャレなこと。

6, なぜなら、大ヒット作品の続編だから

主演2人に台本が初めて渡された時には、SPECというタイトルは決まっていなくて、ケイゾク2という名前だったという事はご存知ですか?主演の2人は、大ヒットドラマの続編ということで、かなり重荷に感じていたそうで。もともと中谷美紀と渡部篤郎のタッグでした。以下、wikipedia先生からの引用。

“ケイゾク”と呼ばれる、迷宮入りした事件を担当する警視庁捜査一課弐係(架空の部署)に配属された、東大卒のキャリア警察官僚柴田純と、元公安の叩き上げ刑事真山徹が難事件を解決していくミステリードラマ。シリーズ前半は持ち込まれる事件を解決する刑事物として、小ネタを散りばめたコメディー要素の強い一話完結のスタイルを採りつつ、シリーズ後半に向けての伏線を少しずつ描いてゆく。シリーズ後半では真山と快楽殺人犯朝倉の因縁を巡る物語をシリアスに展開させるという構成となっている。[1]タイトルの『ケイゾク』は「現在も鋭意“継続”捜査中である」という事に由来している。 警察の実情とは異なる設定が多いほか、これまでの刑事ドラマと比べ無機質で暗鬱とした雰囲気を醸し出しており、メイン演出の堤幸彦による演出スタイルは新鮮さと特異性に溢れていた。過去の刑事ドラマへのリスペクトを感じさせながら、2000年代以降につながる斬新さを持つドラマであるとも評価されている[1]。

竜雷太も野々村係長として出演していて、ケイゾクを元にしたネタもSPECには出てきます。

7, なぜなら、挿入曲が良いから

渋谷慶一郎さんが手がけているから。

8, なぜなら、フィクションの中にも現実味があるから

SPEC自体には全くリアリティはありません。SPECなんて現代にはありません。しかし、作品のテイストは妙に人間臭くて、もしかしたら僕もSPECを持っているのでは・・・と、小学生くらいの子が見たら思ってしまうくらいの世界観に仕上がっている。また、これから何年後かにはこんな能力が芽生えるのでは?と思っている人も多分ほんの数%はいるはず(?)。

9, なぜなら、大きなテーマがあるから

SPECは、前半がミステリータッチで、後半からSPECホルダーと主人公たちの対立、スペックホルダーと人間との対立が描かれる。映画で出てくるであろう「シンプルプラン」というスペックホルダー殲滅計画というのにも見える大きなテーマ。

10, なぜなら、伏線の張り方がうまいから

謎がだんだんと明かされていく感じ。実は城田優がドラマ版の黒幕だったという展開。映画に複数残る謎。にしても、ドラマ版と映画版の間に放映された「SPEC 翔」での謎の明かされ方は半端無かったですな。

11, なぜなら、食べ物が特徴的だから

この作品にはなくてはならないニンニクたっぷりな餃子、餃子鍋、マヨネーズがかかったメロン、当麻が飲むハチミツ、さっぱりおろし天つゆネギだこ、流し餃子、柿ピー、駄菓子の烏賊のやつ…..

12, なぜなら、習字の字を中塚翠涛先生が担当しているから

中居正広のミになる図書館という番組で、芸能人の美文字鑑定をしてますね。

13, なぜなら、特殊能力が映像的に見劣りしないから

色々な能力が出てきましたが、それに映像が負けてないのが凄いなと思います。ニノマエの時間を止めて銃弾を跳ね返す能力も、当麻の死者を呼び戻す能力もビジュアルがしっかりしてますよね。まぁ、そんなに特殊なビジュアルが必要な能力が出てないというのもあるんですが。映画の伊藤淳史の能力に出てきたタコは、ちょっとなぁと思いましたが。

14, なぜなら、グロいところがはっきりとグロいから

意外と血が出ますよね。

15, なぜなら、謎だから

そもそも設定自体が未詳という謎で、SPECという力の謎。志村がブブゼラ軍団に殺された謎。いとも簡単に津田助広が死んだ謎。地居が津田助広だったという謎。白い男の謎。瀬文が能力を持っているかもしれないという謎。映画化したらその謎が神話に沿ってますます謎を呼び、そしてオカルトチックにもなり….。

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