映像表現とアイデンティティの真価

観てきました。(当日、予報になかったのに雨が降ってきてちょっとうれしかった)

ちょっとすごいものを観てしまったな…という感覚が凄まじくて、エンドロールでようやく身体が熱くなっていることに気づいた。(ちょっと額が汗ばんでた)

謎がちりばめられているため超絶的にネタバレがしたくなくなるんですが、そこを我慢しつつ、例のごとく感想をつらつらと書いていきます。

あらすじは下記に。

追われるのはブレードランナー?世界を滅ぼす鍵を握るのは―。 舞台は2049年のカリフォルニア。ライアン・ゴズリング扮する“ブレードランナ ー”(※人間社会に紛れ込んでいる、労働用の人造人間“レプリカント”を処分する役目の捜査官)Kは、ある重大な秘密に辿り着き、その真相を知るためハリソン・フォード演じるかつてのブレードランナー、デッカードの行方を追っている。 冒頭でデイヴ・バウティスタ演じる男に、デッカードの行方を問いただすK。 レプリカントを製造するウォレス(ジャレッド・レトー)は、「“彼”が鍵を握っている」と言うが、彼とは誰を指すのだろうか? そして、デッカードの居場所をつきとめたKは、過去に何があったのかを彼に問う。前作『ブレードランナー』でレプリカントの恋人レイチェ ルと逃亡したデッカードがその後どうなったのか・・・

・まず、音響がすごい。あああハンズ・ジマー感、と思ったら予想通りハンズ・ジマーだった。加えて、監督がドゥニ・ヴィルヌーヴだからミステリアス感が前作にも増して増強されている気がする。(この音響の感じが好きな人は「ボーダーライン」を観てみてくださいね。ベニチオ・デル・トロ好きの方もぜひに)

・劇中に出てくるロサンゼルスの街並み、その看板類にはやはり日本語が使われているのは踏襲なのかー。オリジナル版の際はリドリー・スコットが近未来感を出すべくエキゾチック感を彷彿させたいがため、日本語がなによりも最適だったんだろうけど。付随して、コカ・コーラとか、PEUGEOTとか、作品中にプロダクトプレースメントさせるの、どのくらいの金額かかってるんだろ。協賛費用でカンパなのかな?

・本作のテーマは「命の意義とは」「アイデンティティ」にあるという前提に立った時、主人公Kの命があまりにも犠牲的すぎて、とても感じ入るものがありました。真理にすぐに辿り着いた彼も素晴らしいし、その後のクールな行動に思わず胸を打たれてしまう。

・にしても、ライアン・ゴズリングすごいな…。稼ぎ頭すぎる。話題作しか出てないやんもはや。本作の場合、脚本を読んだハリソン・フォードが「ライアン・ゴズリングが適役だ!!」と言って、監督サイドもそれに即同意したとのこと。確かにぴったしすぎた。正統派イケメンフェイスの上品さ、艶めかしさ、そしてミステリアスが共存する俳優、なかなかいない…。(ラ・ラ・ランドもよかったけれどね)

・また、はまり役という観点でいうと、やっぱりウォレスを演じたジャレット・レト。(実はミュージシャンなんですよね子の人)ダラス・バイヤーズ・クラブの演技もだいぶよかったけれど、個人的には本作がすごかったなー。なんなんだあの端正な顔立ちは。そして、あの白みがかかった黒目がこれまたかっこよいこと…(盲目という役どころなのでセンシティブですが)。

・予告編を見すぎたせいか、「デッカード!出るのか、デッカード!出たぁぁあ」といったテンションで、デッカードの出演シーンを今か今かと待ち望んでしまう自分がいたので、あまり見すぎないことをお勧めします(とはいえ動画貼ったけど)

・ジョイ(Joi)ほしい。もはや恋人というポジションを越えて、主人公のアドバイザー的役割まで発展している二人の関係性がとても興味深かった。Skinnerや、Skin-Job(人もどき)などと散々にけなされるシーンから、孤独かつ、なかなかにしんどい生活をしているKのよき理解者だったんだろうな。女優さん、かわいすぎる。(アナ・デ・アルマスという方らしい)(チェックせねば)

https://www.google.co.jp/search?q=%E3%82%A2%E3%83%8A%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%82%B9&rlz=1C1CHBD_jaJP755JP755&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwjD5qnHwKfXAhULf7wKHc-BBHAQ_AUICigB&biw=1163&bih=536

・いろいろな作品を思い出す作品でもあったな。(とはいえこのオリジナル版がいろんな映像表現の元祖なのだけど)ジョイがサービスとして一般化している様子からは「her」を、ジョイと主人公のラブシーンからは「愚行録(あくまでも映像的な意味合い)」を…といった感じで。

・ジョイが主に外出の際に時たまビニール製(?)のコートを着るのいいすね。前作ファンはうれしいはず。

・ラヴ強すぎ。こわい。

予告編を観ていた際は「リドリー・スコット、ドゥニ・ヴィルヌーヴ、ライアン・ゴズリング、ハリソン・フォード」って、このメンツでこけたら戦犯じゃないか…と思ってたんですが、まんまとやられました。

あの密室にいた研究者が泣いた意味を推し量ると、胸が熱くなります。Kに対する想いを想像すると。

相対する、全てを知ったKの清々しく精悍な表情。

ああ、いいシーンだったな。

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