SPEC」タグアーカイブ

Save me, take loop.

レイトショーで観てきました。(ネタバレはありません)

レイトショーの映画館。知り合いカップルを見かけてしまった時の気づかれたくない感は凄まじいですね。めっちゃそわそわしてました。

そしてすごくどうでも良い話ですが、神奈川の109CINEMAS系列で流れる「一平不動産」と「湘南カインズホーム」のCMのセンスは酷すぎると思います。酷すぎて逆に気になる。どういうプロセスで作られているんだろうか。

まぁそれはさておき、終わってしまいましたよ、SPEC。

すごく腑に落ちました。面白かった。世界観は広がり過ぎて、向井理演じるセカイのセリフとか、ちょっと違和感あるなぁと思ったけれども、よくまとめられてるな。と思いました。劇場版の天のラストシーンで当麻がとっていた行動も、きちんと繋がってましたね。

以前、昼間にやっていた映画SPEC公開特集番組で、堤監督が「気づく人は気づく」と言っていたシーンも分かって良かった。おかげでエンドロールもエンドロールの後も気が抜けなかったけれども。そして、エンドロールはこの物語を読み解くのに重要なヒントだったのか。

個人的に、SPECの終わりに適したシーンは三つあったと思います。

一つ目は、ドラマ版の終わり。当麻がSPECを使用して地居を倒すシーン。いい感じに謎も残り、独特の余韻を残す。エンドロールの後に当麻が独特の口調で「映画化なんてしねぇ」と言い放つ。いいですね。

二つ目は、翔で当麻の手を掴んだ瀬文が、当麻に温かい言葉を投げかけるシーン。あれは名言ですね。また、言い方が二人の不器用な関係性を象徴しているようでイイ。あそこで終わってもかなり綺麗だったかなぁと。

そして三つ目は、今回の爻ノ篇。漸ノ篇を観たとき、すごく納得がいかず、「二つに分ける意味あるのか?これ」とか思ったけれども、きっと二つに分けていなかったら、こんなに漸ノ篇が引き立たなかった。これも演出の一つなんだと思うとやっぱりすごい。爻の篇の上映が開始して、今なら「漸ノ篇を観て、すぐ次の時間に爻ノ篇を観る」っていう鑑賞方法が出来るなぁ。と、ちょっと羨ましく思っていたけども、実際、少し間を置いた方が楽しめる気がしました。公開日を約4週間空けたのもすごく絶妙だったんだなぁと。

それくらいすごかったです。

以下、思ったことを諸々。

堤監督の作品は、カメラワークの点において、テレビドラマの方がイイような気がしました。ドラマ版だったら当麻を固定アップで撮るシーンも、映画ではスクリーンの大きさを考慮に入れ、より臨場感を出す為にカメラが固定ではなくなっている。堤監督の独特な撮り方はそのままにした方が良かったかなぁと。SPECで言えば、各回の始まりにおいての空から都庁などを撮影するシーンなど、あの雰囲気はSPECにおいて結構重要な要素ですよね。あの独特な感じは残してほしかった。

ただ、シュールな抜き方は流石。セカイと白い女と対峙する瀬文の場面に入れてくる感じ。まぁ、あのシーンは理由もなしにいきなり感がありましたが。でも、他の映画の出演者なり、アナウンサーを出演させるTBSはくどい。ものすごく鬱陶しいプロダクト(?)プレースメント。

また、今回の作品で、シンプルプランの説明として使われていたなじみ深いものにしろ、他の回におけるものにしろ、脚本の西荻弓絵さんの作品は、身近なものを入れるセンスがいいな、と思いました。

前回の安堂ロイドにおいて、”想い=素粒子”であると、沫嶋教授が発見した際のキッカケは東日本大震災でしたね。(観てるのか!お前!!って感じかもしれませんが、脚本家が好きなので面白くなるんじゃないかと期待して観てます。)(今もつまらなくはないです。ただ、設定が近未来すぎて日本のテレビであれを題材にするのが難しいんだろうなぁ、という。)

エンドロールのセンスも良かったなぁ。SPECっぽいなぁと思いました。SPECのドラマ版において、あの独特なごみごみしたエンドロールや、シャボン玉が飛ぶエンドロールのセンスが好きっていう人は多いはず。THE RiCE COOKERSの”audioletter”も良い歌。

話めっちゃ変わりますが、結で、韓国語を話す要人女性という役名(笑)で出演していた女優さんがとっても美人で美人で。自分はアジアンビューティが好きなのか。と、改めて思いました。(あくまでも外見上のあれですが)(そういえば、高三の時に好きだった人も黒髪モデル体型だった)

ああ、大好きな作品が終わってしまった。

なんとなく観ていたこの画像も、よくよく見るとそんな意味があったとは、と。もしかしたらSPECは、当麻と瀬文の究極のラブストーリーなのかもしれません。

今更ですが、「当麻」「瀬文」って名前いいですね。そして、「セブミタケル」という名前が”Save me,Take loop.”から来ているという説。天才ですね。(今回の作品見ると、うおーっ、と。)

主役の二人の人間性が、たまらなく好きでした。

さようなら、SPEC。

SPECはどうして面白いのか。

今日、映画につながるドラマ「SPEC 零」の放映があるということで、SPECがどうして面白いのかをちょっと考えてみました。

1, なぜなら、俳優の演技力があるから

戸田恵梨香と加瀬亮。主演二人の名演技は外せないポイントでしょう。他スペックホルダーも凄い。神木くんの可愛げを漂わせながら狂気に走る演技も素晴らしい。

2, なぜなら、登場人物のキャラがいいから

天才故に変人、そして熱血馬鹿。だけど、生き方が真っすぐで人間としてカッコいい主演二人。二人を温かく見守る係長。個性が豊かすぎるスペックホルダーとその他の方々。一人ひとりのキャラが物凄く濃くて、それぞれがきちんと立っているから、コアなファンが生まれやすいんだと思います。(コアなアニメファンが生まれるようなイメージ)(でも、城田優の狂ったキャラは男子が見てもひどいですね)

3, なぜなら、ギャグを許容できる雰囲気があるから

係長がところどころでいれるギャグ。ぶっちゃけ一つ一つを見ると、そんなに面白くはないですよね。それをうるさくもウザくも思わせない作品自体が持つ雰囲気がなかなかなく、この作品の凄いところなんだと思います。はっきりとしたギャグではないんだけど、センスの良い知的な面白さが鏤められているから、ストレートなギャグが出てきた際に、違和感をあまり感じないのかもしれません。
(この雰囲気でつまらないと感じる人もきっといるはず)

4, なぜなら、監督が堤幸彦だから

ギャグ要素はいいとして、この監督の特徴としたら映像の独特なカット。東京都庁?東京タワー?赤坂?(詳しく覚えてないのですが)を上から撮影するカット。超人的な聴力を持つ桂小次郎が出たときのあの上からのカット等が特異で、他の作品ではなかなかないですよね。そして、ほんのりダークでシュールな世界観。ところどころ有名アニメ、ドラマのキャラクター、ネタを入れてくる作風。ドラマ最終回のエンドロールの終わりに、”映画かなんてぜってぇしねぇから”と当麻に言わせておいて、映画につながるドラマのエンドロールの終わりに、”東宝さんよろしくお願いします”と瀬文が言うというキャラを活かしたシュールな面白さが出来る雰囲気を醸し出せる作品を作れる監督が凄い。

5, なぜなら、主題歌がいいから

この作品の、なんとなくダークでごみごみした感じにめちゃめちゃマッチするんですよこれが。堤監督の指示で、ドラマ版は各回毎に楽曲にアレンジが入っているのも凝ってますよね。ドラマ版のエンドロールのデザインもオシャレなことオシャレなこと。

6, なぜなら、大ヒット作品の続編だから

主演2人に台本が初めて渡された時には、SPECというタイトルは決まっていなくて、ケイゾク2という名前だったという事はご存知ですか?主演の2人は、大ヒットドラマの続編ということで、かなり重荷に感じていたそうで。もともと中谷美紀と渡部篤郎のタッグでした。以下、wikipedia先生からの引用。

“ケイゾク”と呼ばれる、迷宮入りした事件を担当する警視庁捜査一課弐係(架空の部署)に配属された、東大卒のキャリア警察官僚柴田純と、元公安の叩き上げ刑事真山徹が難事件を解決していくミステリードラマ。シリーズ前半は持ち込まれる事件を解決する刑事物として、小ネタを散りばめたコメディー要素の強い一話完結のスタイルを採りつつ、シリーズ後半に向けての伏線を少しずつ描いてゆく。シリーズ後半では真山と快楽殺人犯朝倉の因縁を巡る物語をシリアスに展開させるという構成となっている。[1]タイトルの『ケイゾク』は「現在も鋭意“継続”捜査中である」という事に由来している。 警察の実情とは異なる設定が多いほか、これまでの刑事ドラマと比べ無機質で暗鬱とした雰囲気を醸し出しており、メイン演出の堤幸彦による演出スタイルは新鮮さと特異性に溢れていた。過去の刑事ドラマへのリスペクトを感じさせながら、2000年代以降につながる斬新さを持つドラマであるとも評価されている[1]。

竜雷太も野々村係長として出演していて、ケイゾクを元にしたネタもSPECには出てきます。

7, なぜなら、挿入曲が良いから

渋谷慶一郎さんが手がけているから。

8, なぜなら、フィクションの中にも現実味があるから

SPEC自体には全くリアリティはありません。SPECなんて現代にはありません。しかし、作品のテイストは妙に人間臭くて、もしかしたら僕もSPECを持っているのでは・・・と、小学生くらいの子が見たら思ってしまうくらいの世界観に仕上がっている。また、これから何年後かにはこんな能力が芽生えるのでは?と思っている人も多分ほんの数%はいるはず(?)。

9, なぜなら、大きなテーマがあるから

SPECは、前半がミステリータッチで、後半からSPECホルダーと主人公たちの対立、スペックホルダーと人間との対立が描かれる。映画で出てくるであろう「シンプルプラン」というスペックホルダー殲滅計画というのにも見える大きなテーマ。

10, なぜなら、伏線の張り方がうまいから

謎がだんだんと明かされていく感じ。実は城田優がドラマ版の黒幕だったという展開。映画に複数残る謎。にしても、ドラマ版と映画版の間に放映された「SPEC 翔」での謎の明かされ方は半端無かったですな。

11, なぜなら、食べ物が特徴的だから

この作品にはなくてはならないニンニクたっぷりな餃子、餃子鍋、マヨネーズがかかったメロン、当麻が飲むハチミツ、さっぱりおろし天つゆネギだこ、流し餃子、柿ピー、駄菓子の烏賊のやつ…..

12, なぜなら、習字の字を中塚翠涛先生が担当しているから

中居正広のミになる図書館という番組で、芸能人の美文字鑑定をしてますね。

13, なぜなら、特殊能力が映像的に見劣りしないから

色々な能力が出てきましたが、それに映像が負けてないのが凄いなと思います。ニノマエの時間を止めて銃弾を跳ね返す能力も、当麻の死者を呼び戻す能力もビジュアルがしっかりしてますよね。まぁ、そんなに特殊なビジュアルが必要な能力が出てないというのもあるんですが。映画の伊藤淳史の能力に出てきたタコは、ちょっとなぁと思いましたが。

14, なぜなら、グロいところがはっきりとグロいから

意外と血が出ますよね。

15, なぜなら、謎だから

そもそも設定自体が未詳という謎で、SPECという力の謎。志村がブブゼラ軍団に殺された謎。いとも簡単に津田助広が死んだ謎。地居が津田助広だったという謎。白い男の謎。瀬文が能力を持っているかもしれないという謎。映画化したらその謎が神話に沿ってますます謎を呼び、そしてオカルトチックにもなり….。